菊池「侍二塁」譲らん 打った!守った!走った!
「侍ジャパン強化試合、日本11-4メキシコ」(11日、東京ドーム)
野球日本代表「侍ジャパン」の広島・菊池涼介内野手(26)が、メキシコとの強化試合に「2番・二塁」でスタメン出場。走攻守で存在感を発揮した。この日は2年連続でトリプルスリーを達成したヤクルト・山田哲人内野手(24)を三塁に置く新布陣。10日の第1戦は出場のなかった菊池が、二塁はオレじゃ-とばかりに輝きを放った。
勝利を求めた強化試合で、土に汚れたユニホームが輝いた。走攻守にスピード野球で勝利に貢献。二塁・菊池、三塁・山田の新布陣で存在感を見せた。「監督の指示通りにね」と、黒子役に徹してチームを支えた。二塁はオレじゃ-と、全力プレーで猛アピールだ。
「試合に出るときは監督のサインに忠実に、チームに貢献できればいい。言われたところできっちり仕事したい」
六回だった。先頭で打席に立つと3球目、外角の直球を逆らわず右前に運んだ。今季リーグ最多の181安打。シーズン同様の打撃で出塁すると、1死を挟んで内川の打席だった。2球目。迷わずスタートを切った。頭から二塁に飛び込んでチャンスメーク。得点にこそつながらなかったが、足で見せ場を作った。
2013年に初選出されて以降、代表の常連選手となった。来年3月で27歳。年下の選手も増える中で、チームを支える存在でもある。10日の強化試合初戦はベンチスタート。出場なく期する思いはあったが、声をからして盛り上げ役に回った。日の丸を背負う意味を感じる日々。並み居るスター選手が集う中で、グラウンド内外で「つなぎ」に徹する。
「マッチさん(松田)が声を出してくれているので。僕もそれに引っ付いて盛り上げて。今までにないことが起こるのが国際大会。試合に出た時はプレーで引っ張れるように」
この日は山田を三塁に置き、二塁を守る新布陣を試した。菊池の守備力を生かす戦術。五回には定位置左を襲うライナー性の打球に素早く反応。「今日は自分の感覚で」と、好守でピンチを未然に防いだ。9度の守備機会を無難に処理。試合前練習では遊撃で入念にノックを受けるなど、一発勝負の国際大会で守り勝つ野球の要だ。
七回には1死一、三塁で打席に立ち、三ゴロでしぶとく追加点を奪った。前夜黒星を喫したメキシコに11-4で大勝。試合後は「ヒットも出たし、走れたし、守れたので。明日もある。監督の求めるものにしっかりと応えられるようにしたい」と充実感を漂わせた。来年3月のWBC本戦へ、価値ある1勝。侍の二塁には菊池がいる。