小窪選手会長に点火!黒田のゲキで真のリーダーへ決意新た
「広島秋季キャンプ」(12日、日南)
広島の小窪哲也内野手(31)が12日、来季への思いを激白した。選手会長としてチームをまとめ、25年ぶりの優勝に導いた今季。シーズン終了後、現役引退した黒田からゲキを飛ばされ、来季への誓いを新たにしたという。グラウンドでも結果を残して、真のチームリーダーとなる。
「まだまだ甘える年じゃない。できるだろ」。日本シリーズ後、小窪は黒田からこう告げられたという。昨季と同様、代打出場がメインだった今季は69試合で打率・217、2本塁打、10打点。決して現状に満足していた訳ではない。だが、右腕の言葉に成績でも言動でも、チームをけん引していく気持ちを一段と強くした。
選手会長として迎えた1年。誰よりもチームを最優先に考えた。春季キャンプ前には各ポジションの中心メンバーの福井、丸、菊池、会沢を食事に誘った。投手と野手では練習時間や試合後の時間の使い方が異なるため、一緒に食卓を囲むのは珍しい。思いを共有するために垣根を越えた。シーズン中は黒田、新井、石原に助言を求め選手を束ねてきた。
地道な行動は25年ぶりのリーグ制覇につながった。だが、優勝を決めた9月10日の巨人戦ではベンチ外だった。打撃不振で8月28日に出場選手登録を抹消された。優勝マジックを減らす戦いに加わることはできなかった。
歓喜の裏で苦い思いを募らせた。同日の四回。2者連続本塁打の直後、安部が死球で倒れた。黒田は両手を広げマイコラスをにらみつけ、新井もベンチを出て不可解な1球に怒りをあらわにした。
「僕もベンチを飛び出したかったけど、できなかった。悔しかったことを一番、覚えている」
志願して参加した今キャンプは、若手と同じメニューをこなす。打撃面ではバットの軌道やボールを待つ姿勢などテーマを決めて振り込んできた。胸にあるのはレジェンド右腕の「甘えるな」のフレーズ。ひとつひとつのスイングを積み重ね、技術を磨いている。
「小窪が打つと盛り上がる」と東出打撃コーチ。チームの中心に、間違いなく背番号「4」がいる。小窪は「プレーでも引っ張っていける存在になりたい。来年は自分が試される年」と言葉を紡いだ。リーグ連覇、そして日本一奪還という夢のをかなえるため、小窪がグラウンドに立つ。