堂林、逆襲猛アピール 2年連続減俸更改…悔しさバネに
「広島紅白戦、白組3-6紅組」(18日、天福球場)
広島・堂林翔太内野手(25)が18日、秋季キャンプ地の宮崎県日南市内で契約更改交渉に臨み、100万減の年俸1650万円でサインした。2年連続での減俸となったが、この日行われた紅白戦では2打数2安打を記録。シーズン後半から取り組んできた打撃フォーム改良の成果を披露した。8年目の来季。悔しさをバネに輝きを取り戻す。
力強いスイングから快音が響いた。秋季キャンプ初の紅白戦に「二番・右翼」で先発した堂林。シーズン後半から取り組んできた打撃改善の成果を見せつける一撃を放った。
1点リードの三回だ。1死走者なしで迎えた第2打席。飯田の投じた初球、内角への直球を捉えた。「今までやってきたことが出せた。1打席目は四球でしたが初球の甘い球に反応できなかったので修正できてよかった」。納得の一打は三遊間を鮮やかに破った。
続く四回にも、薮田から投手強襲内野安打を記録。久しぶりとなる実戦の場で2打数2安打とアピールした。
ポストシーズンでは1軍帯同も出場機会はなかったが、その期間、打力向上に取り組んでいた。「ボールを見るときも大事」と、打撃練習ではトップの位置で何度もバットを静止し、上体の向きを確認した。
今までは持ち味である右中間への力強い打球を意識し過ぎていたため、体をひねり過ぎていた。だが、ブレを少なくして確率を上げるために、バットを持つ手が投手に向けて隠れないよう体をねじらないフォームに変更。「上半身に力が入らなくなり、下半身で打てている」と手応えは十分だ。
キャンプ中も指導を続ける石井打撃コーチは「秋季キャンプ中ずっと内容がよくて、それが続いている。スイングが自分のものとしてつかみつつある感じがする」と評価。打撃の改善が見られる若鯉に期待を寄せていた。
練習終了後には契約更改交渉に臨み、100万減の1650万円でサイン。堂林は「(下がるのは)当たり前。頑張ったら上がる世界。やっていることが中途半端な一年でした」と振り返り、表情を引き締めた。
出場機会を求めるために、三塁など内野だけでなく、外野の守備にも取り組んでいる。オフには新井らが行う護摩行にも同行する。「何かを変えないといけないと思い、新井さんにお願いしました。やれることは全てやりたい。未知の経験なので、何かのきっかけになればいい」。技術面だけでなく精神面を鍛え上げ、巻き返しを目指す。