カープ若手投手陣に“マエケン塾”開講 メジャー流調整法を古巣に還元
米大リーグ・ドジャースの前田健太投手(28)が27日、広島県神石高原町で行われた犬の殺処分ゼロをPRするイベントに参加。来年1月の沖縄自主トレで“マエケン塾”を開き、広島時代の後輩にトレーニング方法やアメリカでの経験談などを還元すると明かした。大瀬良、中田、戸田らが参加予定で、リーグ連覇と日本一を目指す投手陣の力とする。
若鯉にとって、何にも変えがたい時間になる。ドジャース・前田が来年1月の沖縄で、カープ時代の後輩と自主トレする意向を示した。アメリカで体を動かす選択肢もある中で選んだのは日本。“マエケン塾”の開講は、後輩を思っての行動でもある。
「暖かいのでケガのリスクが減るし、体の準備もスムーズにできる。あとアメリカでやるより、こっちでやった方が後輩のプラスになる。一緒に頑張っていけたらいい」
期間は未定ながら、厳しいトレーニングになることを示唆した。昨年を振り返り、「中崎が吐きそうになっていた」と笑った。今回も体幹を鍛えたり、瞬発系のトレーニングなどで体をいじめ抜く。「みっちりやりたい。結構大変」と予告した。
大瀬良にはビシビシと愛のムチを浴びせる予定。「来年は黒田さんが抜ける。大地が先発でいることがカープにとってプラス」。大きな期待を寄せるからこそ、課すハードルは自然と高くなる。
自身の経験談も伝えていく。今季、新人王こそ逃したものの、ローテを守って16勝を挙げた。中4日での登板が基本のメジャー。体調管理の仕方など、日米での違いを知ることができれば、新たな発見があるかもしれない。若手が描く成長曲線がさらに急勾配になるはずだ。
広島を離れても常に古巣の状況をチェックしてきた。25年ぶりのリーグ制覇後は、大瀬良からテレビ電話で優勝報告を受けた。歓喜に沸くナインを見ながら「僕がいない方が強いんだと思った」。そう言って苦笑いしたが、快進撃を続けたチームから刺激を受けた。
カープは、リーグ連覇と33年ぶりの日本一が来季の目標。他球団からのマークは確実に厳しくなる。それでも「去年が調子が悪かっただけ。今年の強さは特別ではない。これが続いていくと思うし、来年も勝っていく」と太鼓判を押した。自身が伝えるさまざまなものを成長の糧としてくれること、そしてチームの黄金時代の到来を願っている。