新井、セ界最年長39歳でMVP 「最後にまさかこの賞を…」

 「NPBアワーズ2016」(28日、グランドプリンスホテル新高輪)

 セ・リーグの最優秀選手(MVP)に広島・新井貴浩内野手(39)が18年目で初選出された。広島からは1991年の佐々岡真司以来25年ぶりで、広島の野手では山本浩二、衣笠祥雄以来3人目。39歳シーズンでの受賞はセ・リーグ最年長記録。11年ぶり2度目のベストナインとのW受賞に、ベテランの表情は緩みっぱなしだった。

 無数のフラッシュを浴びながら、新井は恥ずかしそうに姿を見せた。グレーのストライプスーツに、「カープカラー」の真っ赤なネクタイ。「黒田さんには『思い切りガッツポーズで行け』って言われたんですけど」と笑わせると、MVP受賞の感謝を言葉にした。

 「今年1年は『まさか、まさか』と言われ続け、最後にまさかこの賞をいただけるとは。取った賞じゃなく、監督をはじめ最高のチームメート、最高のファンに取らせていただいた賞だと思います」

 39歳シーズンのMVPはセ・リーグ最年長記録。パを含めると、40歳シーズンで獲得した1988年の門田博光(南海)に次ぐ記録だ。球団では91年の佐々岡(現2軍投手コーチ)以来7人目。山本浩、江夏、衣笠、北別府らと肩を並べた。

 記録、そして記憶に残る1年だった。4月に史上47人目の通算2000安打達成。67試合で4番に座り、25年ぶりのリーグ優勝に貢献した。また42人目の300本塁打、41人目の通算1000得点を記録した。132試合に出場して、6年ぶりの打率・300&101打点をマーク。2位に大差の781点を獲得して、セ・No.1選手の称号を手にした。

 昨年、阪神から広島に復帰。初打席で「震えるくらい」の大歓声を受けた。受賞を誰に伝えたいか-司会者の質問に「ファンの方々です」と即答。「ヨシ、やるぞという気持ちにさせていただいた。心が体を動かす」と感謝は尽きない。金本(阪神)の37歳、和田(中日)の38歳を抜く39歳での受賞。「人ごとのようにすごいね」と驚きを隠さなかった。

 MVPに加えて11年ぶり2度目のベストナインを獲得。「このメンバーの中では、少しだけ高齢ですけど。おじさんでも頑張ればできるんだと、少しは見せられたかなと思いますね」と言って、会場の笑いを誘った。来年は40歳で迎えるシーズン。「プロに入ったころは想像できなかった。喜びより驚き。2、3年でダメだと思っていたから」と続けた。

 「自分にできることは初心に帰って昨年、今年のような気持ちでシーズンに入っていくこと。いままで通りがむしゃらに、泥だらけになってプレーする」

 体は「もうボロボロ」と言う。だが、戦い続ける理由がある。黒田氏から託された夢の続き…リーグ連覇、そして日本一だ。「道は厳しく、険しくなるけど、カープのよさは一体感。一丸で日本一の頂に登りたい」。会見を終えると自然に拍手が起こった。人を愛し、愛される野球人生。不惑を迎えるベテランは幾多の思いを背負って、来シーズンに挑むつもりだ。

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