「神ってる」流行語大賞で緒方監督も驚き 誠也も「信じられない」

 今年の世相を反映した言葉を決める「2016ユーキャン新語・流行語大賞」の年間大賞が1日に発表され、広島・緒方孝市監督(47)が、鈴木誠也外野手(22)の神がかり的な活躍を表現した「神ってる」が受賞した。野球界では昨年の「トリプルスリー」に続き、2年連続受賞となった。

 優勝旅行出発前のマツダスタジアムに吉報が届いた。「ポケモンGO」や「PPAP」などを抑えての“日本一”。「まさか、まさか選んでもらえるとは思っていなかった。家族に報告したら、喜んでいるのか驚いているのか分からないくらい、跳び上がっていた」と緒方監督は興奮を隠せなかった。

 25年ぶりに成し遂げたリーグ優勝。チームに大きな推進力をもたらした鈴木の活躍を評した言葉だった。

 6月18日のオリックス戦で、史上10人目となる2試合連続サヨナラ弾。試合後の監督会見で「今どきの言葉で言うなら『神ってる』よな」と言ったのが始まりだ。チームは今季、89勝のうち45勝が逆転勝利。「優勝したことなど、今年の勢いを示している」。その後は、快進撃を象徴する言葉としても使われるようになった。

 「普段、息子との会話の中で聞いたことを使っただけなんだ」。休日に長男・将孝君と将棋を楽しんでいた時に耳にした。将孝君がうまく駒を進めた時、「俺、神ってるじゃろ!」と言っていたという。球界の大賞は、91年から始まった新語・流行語を合わせた「年間大賞」制定後は9例目。家族との何げない会話から新たな名誉を手にした。

 「神ってる」は「神がかっている」から生まれた新語。通常の力以上のものが出るという意味がある。リーグ優勝を成し遂げた今季がまぐれではないことを示すためにも、来季の戦いが重要になる。

 投手陣では黒田が抜け、野手にも大きな戦力補強はない。それでも主力を担った菊池、丸、田中、野村に加え、充実した秋季キャンプを終えて、若手が力を付けつつある。日本シリーズで日本ハムに地元で連勝後、4連敗。敗れた悔しさも新たな力に変えていく。

 リーグ連覇はもちろん、指揮官3年目となる17年は、33年ぶりの日本一が目標になった。チームを一つにまとめ上げ、実力で頂点まで導いていく。

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