新井よオレを超えろ!浩二氏まな弟子に指令…通算安打あと233本
広島の元監督で、日本プロ野球名球会の理事長を務める山本浩二氏(70)が16日、広島の新井貴浩内野手(39)に“オレ超え”指令を出した。この日は宮崎市内で行われた「名球会チャリティゴルフトーナメント」に参加。新井が安打を積み重ねればチームの勝利に近づく。その思いから、山本氏自身が持つ通算安打2339本を、通算安打2107本のまな弟子が追い抜くこと願った。
記録は塗り替えられるためにある。それが新井なら喜びは倍増するに違いない。まな弟子が自身の通算安打2339本を超えるまであと233本。山本氏は“オレ超え”について「頑張ってくれれば。あと何年できるかわからんけど。頑張ってくれと言っておいてくれ」と、報道陣を通じてエールを送った。
山本氏が監督時代に最も期待を寄せたのが、地元出身の和製大砲だった。チームの将来を見据え、我慢強く4番で起用。球界を代表する選手になるまでの土台を築いた。昨季は4月に史上47人目となる通算2000安打を達成。その後はリーグMVPに輝く活躍で、25年ぶりのリーグ優勝に貢献した。通算安打2107本は、現役選手では最多本数だ。
新井にとって山本氏は野球を始めた時のヒーローであり、特別な存在だ。昨季終了後は“ミスター赤ヘル超え”について多くを語らなかった。だがこの日、憧れの存在からの言葉に「浩二さんに、そういうふうに言ってもらえるのはすごくうれしい。優勝するためにヒットをたくさん打っていきたい」と意気込んだ。
順調にシーズンを送れば、来シーズン中にも“ミスター赤ヘル超え”が見えてくる。今月30日には山本氏が現役引退した40歳となる。しかし、11日から鹿児島・最福寺での護摩行に臨み、精神面の準備は完了。肉体的にも継続する筋力トレーニングで体をいじめ抜いている。心技体、すべてを充実させて不惑のシーズンに挑んでいく。
2人はこの日、名球会ゴルフに参加。山本氏はネット75・4で18位。新井はネット87・0で57位だった。14日からの名球会イベントは全日程が終了。新井は「楽しかった。優しい方ばかりで、よくしてもらいました」と、春季キャンプを前に英気を養った。
「自分の成績よりチームのために、という気持ちでカープに帰ってきてからはプレーしている。今シーズンも、そういう気持ちで頑張ってほしい」。山本氏は背番号「25」に熱い言葉を贈った。ひたむきに野球に取り組む姿勢は周囲を圧倒する。向上心を持ち続ける新井なら、大先輩の背中に手が届くはずだ。