広輔、同級生侍・菅野と共闘 WBC制覇へ「一緒にできるの楽しみ」
侍ジャパンに選出された広島の田中広輔内野手(27)が29日、かつてのチームメートだった巨人・菅野との共闘を誓った。高校、大学で同じユニホームに袖を通した同級生とプロでは敵同士となったが、WBC日本代表として“再会”。「一緒にできるのは楽しみ」と世界の舞台で共に戦う姿を思い描いた。この日は、呉総合体育館で行われたバスケットボール男子のBリーグ2部「広島-FE名古屋」にゲスト出演した。
かつての盟友と再び同じチームで、同じ目標に向かっていく。東海大相模から東海大まで7年間一緒にプレーした巨人・菅野とともに日の丸を背負う。田中は感慨深そうに語った。
「ずっと一緒にやってきましたし、その中でも切磋琢磨(せっさたくま)してやってきた仲。一緒にできるのは楽しみ。昨日も連絡をとって、一緒に頑張ろうという話をした。僕が頑張って、菅野が投げている時に後ろを守れたらなと思う」
菅野は大学2年時に、大学日本代表入り。プロ入り後も球界をけん引する投手となり、日本代表の常連となった。田中も社会人のJR東日本時代には13年東アジア大会(中国)など国際大会を経験。同級生に負けないようにキャリアを積んだ。
すでに球界のスーパースターとなっていた菅野の背中を追いかけ、遅れてプロ入りした田中。少し時間はかかったが、広島の主力に成長し、昨年はリーグ優勝に貢献。そしてついに、菅野に追い付き、侍ジャパンの一員になった。
「彼はいま日本を代表する選手として一線でやっているので、僕も頑張らないとなという思いでずっとやってきています。もし一緒にやるとなったら、こういう形しかなかったので、こんなに早い段階でできるとは思っていなかった。ありがたいですし、チャンスだと思う」
日本代表では内野のバックアップとして期待が寄せられている。それでも春季キャンプでは自分のペースを崩すことはない。「基本はショートで練習する。代表で出場することも大事ですが、カープの一員としてが大前提。ショートは誰にも渡さないという気持ちでやってきたい」と力強く言い切った。
この日は、バスケットボール男子Bリーグ2部の広島-FE名古屋戦を初観戦。「とても感動しましたし、刺激を受けた。WBCに招集され、これから世界と戦うにあたって、ここでの刺激を少しでも生かして頑張りたい」と目を輝かせた田中。かつてのチームメートと再び力を合わせ、世界一奪還へ貢献する。