大瀬良 マエケンの教えで侍斬り発進 「7、8割の力」で誠也&広輔圧投
「広島春季キャンプ」(4日、日南)
侍斬りで好発進だ!広島・大瀬良大地投手(25)が4日、天福球場で今キャンプ初のフリー打撃に登板。侍ジャパンメンバーの鈴木、田中と対決した。2人に対して計39球を投げ、安打性の打球は5本。力強い直球で緒方監督を安心させた。自主トレ中にドジャース・前田健太投手(28)から教わった左肘の使い方の成果も実感。開幕ローテ入りへ視界良好だ。
詰め掛けたファンの視線をくぎ付けにした。今年初のフリー打撃登板。主役は、大瀬良だ。侍ジャパンメンバーの鈴木、田中をねじ伏せ、首脳陣とファンを安心させた。
「打者が誠也と広輔さんだったので、当てないように気をつけながら7、8割ぐらいの力でバランスよく投げました。今日はすごく良かった。フォームのバランスも球筋も、納得できるボールを投げることができました」
すがすがしい顔つきが充実度を物語る。伸びのある直球を中心にスライダー、カットボールを駆使。先頭・鈴木に対して18球中、安打性の打球はわずか1本。最後の1球をバックスクリーン中段に運ばれ「すごい打球を打たれた。さすがだなと思いました」。相手を持ち上げる心の余裕がある。田中に対しても21球を投げ、安打性の当たりは4本。カットボールで空振りを奪うシーンもあり、仕上がりの早さを印象付けた。
昨春は沖縄キャンプ中の2月20日に右肘違和感を訴えリタイア。大きく出遅れただけに緒方監督は「大地は昨年と全然違う姿を見せてくれた。しっかり安定したフォームで投げる姿を見て安心した」と胸をなで下ろした。
マエケンの教えが好投を後押しした。1月の自主トレ中に左肘の使い方を教わり「普段のキャッチボール、ピッチングから意識しています」と継続。投球動作中にグラブを最短距離で体に引き寄せ、巻き付けるイメージを持つことで制球の安定、抜け球減少につなげた。「今日のフリー打撃でも成果が出たと思います」。今キャンプでは体のケアも徹底。治療器を持ち込むなど、故障防止に細心の注意を払っている。
大黒柱黒田が抜けた今季、右腕への期待は大きい。前日のブルペンではベテラン石原が真っ先に投球を受けてくれた。松田オーナーの熱視線も感じた。この日も1番に真っさらなマウンドに立った。「期待してくださる方がたくさんいる。しっかり応えるためにも、自分のやるべきことをやっていきたい」。大卒4年目。今季こそ、飛躍のときだ。ローテ入りへ、大瀬良が最高のスタートを切った。