カープ野村、充実3回0封発進 最多勝右腕が狙って築いたゴロの山
「オープン戦、中日4-1広島」(25日、北谷公園野球場)
広島・野村祐輔投手(27)が25日、オープン戦開幕となる中日戦に先発し、3回を1安打無失点に抑えた。丁寧に低めを突いて、打者10人のうち5人を内野ゴロで料理。昨季の最多勝右腕が今季初の実戦マウンドで持ち味を存分に発揮し、シーズン開幕へ確かな一歩を踏み出した。
充実感を漂わせながらマウンドを降りた。今季初となる実戦登板。野村は巧みにボールを操って、中日打線から凡打の山を築いた。3回1安打無失点。持ち味を発揮し、シーズン開幕へ向け、順調な仕上がりを見せた。
「初めての実戦ということで、こわごわ投げていた部分はあるが、二回からはある程度投げられた。アウトのほとんどがゴロだったのでよかったです」
初回、先頭の大島に右前打を許し、四球も絡んで1死一、二塁のピンチを招いた。だが、続くビシエドを低めの変化球で遊ゴロ併殺に仕留めてリズムをつかんだ。「あそこのボールはうまく投げられた。内野ゴロを打たせればいいと思っていた」と手応えを口にした。
二、三回はいずれも三者凡退。直球、カーブ、スライダーを低めに集め、打者10人のうち5人に内野ゴロを打たせた。畝投手コーチは「一つ一つの課題を持って投げることができている。きょうは全球種を使わず、考えながら抑えることができていた」と安定した投球を見せた右腕を高く評価した。
ただ、初の実戦で課題も見つかった。「打者が立つことでメンタル的なものもありますけど、投げ急がないようにしようというのもあります。打者にフルスイングされないことが大事。きょうは何球かされた。もっと安定した投球をしないといけない」。冷静に分析し、今後の修正点を挙げた。
3月31日に開幕する17年のシーズン。「あと1カ月近くありますし、オープン戦も何試合かある。そこでいろいろ試しながら、課題を見つけて克服し、階段を一つずつ上がっていきたい」と前を見据えた。ジョンソンとの開幕投手争いについても、「チャンスがある以上はしっかりそこを目指してやっていきたい」と改めて意欲を示した。投手陣の柱となるべく、野村が着実に歩を進めていく。