堂林 エース撃ちじゃ! オープン戦残り16戦 レギュラー奪取へ

 広島・堂林翔太内野手(25)が3日、マツダスタジアムでの全体練習に参加した。キャンプでは昨秋から取り組んできた“新井打法”を継続し、結果を出した。その姿は首脳陣の目に留まり、アピールに成功。開幕までオープン戦16試合。今後はエース級との対戦が増えていくが、打撃スタイルを変えず、外野のレギュラーを狙う。

 日が傾き始めた頃、ようやく堂林が駐車場に姿を見せた。全体練習が終了してから約3時間が経過していた。鯉のプリンスは「秘密練習です」と照れ笑いし、「体をケアしていました。疲れはたまっているけど、そんなこと言ってられない」と真顔に変わって言った。

 3月に入り、開幕の足音が近づいてきた。ここまで対外試合6試合に出場し、計22打数7安打、打率・318。待望の一発も飛び出し、1本塁打、3打点と好結果を積み重ねた。1、2番の打順を打つことによって、右打ちなどチーム打撃も体に染み込みつつある。

 「(打席では)相手抜きにこう打ちたい、と思ってやってきた。悪い打席の後でも次に修正できた。今までと大きく違う。明らかにボールの見え方も違うし、バタバタする打席も減ったと思う」

 目の前の打席に集中し続けた結果が、数字となって表れている。開幕までオープン戦は16試合。キャンプ中は韓国チームや若手投手など格下が相手だったが、今後は対戦投手のレベルが一段と増す。先発ローテを争う投手はもちろん、各球団のエース級との対戦が増えていくが、不動心を貫くだけだ。

 「エースだからといって、違うことをやるつもりはない。今までやってきたことをやれば結果も出ると思う。秋からやってきたことを信じてやりたい」

 昨秋、不退転の決意を持って、新井に弟子入り。キャンプから“新井打法”の完成を目指してきただけにスタイルを変えず、継続できたことが何よりの手応えだ。「やって結果が出なかったらしようがないだろう」。師の言葉も背中を押してくれる。過去の自分とは違う。堂林は「(結果が)出ないときこそ、続けることが大事」と言い聞かせるように続けた。

 約1カ月のキャンプを終え、この日は久々にマツダスタジアムで汗を流した。本格的に挑戦中の外野守備では懸命に白球を追い、フリー打撃では心地いい快音を奏でた。たくましさを増した顔つきに、充実感がにじむ。レギュラー奪取へ堂林は自然体だ。自分を信じて、スタイル不変で突っ走る。

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