赤松 マツダでナインと再会 胃がんから復帰へ決意新た「諦めたら終わり」
胃がんからの復帰を目指す広島・赤松真人外野手(34)が3日、全体練習が行われたマツダスタジアムを訪れ、緒方監督やチームメートらにあいさつした。春季キャンプを終えたナインに刺激を受け、復帰に向けて誓いを新たにした。
その目は、しっかりと前を向いていた。春季キャンプを終えたチームメートにあいさつした赤松は「みんな体は疲れていたけど、戦う目をしていた」と言った。久しぶりの再会を果たし、活力をもらった。胃がんからの復活をあらためて誓った瞬間でもあった。
1月5日に切除手術を受け、現在は自宅から広島市内の病院に通院している。手術の影響で体重は約5キロ減の70キロになった。それでも既に腹筋や軽いジョギング、ストレッチを再開。できるだけ食事回数を増やし、体力の回復に努めている。
入院中、自身の影響力の大きさを感じた。リハビリを兼ねて院内を歩く日々、ある変化に気が付いた。「歩く人が増えた。声を掛けてもらったし、ちょっとしたことでも勇気を与えられるんだと思った」。昨年末にがんを公表したとき、「前例になるようにしたい」と力を込めた。同じ境遇に立たされた選手の励みになりたい-。その思いは、さらに強くなった。
日南や沖縄で汗を流すナインをテレビなどで見ると「うらやましかったな」とはにかんだ。抗がん剤治療は7月まで続く。この日も、あいさつ後に治療を受けるため、病院へ車を走らせた。「諦めたら終わりだからね」。自分を信じて一歩ずつ、前に進む。