堂林 新井打法、開眼ダーン! 虎撃ちで開幕スタメン、猛アピール!
「オープン戦、阪神2-6広島」(5日、甲子園球場)
広島・堂林翔太内野手(25)が5日、開幕カードで対戦する阪神とのオープン戦(甲子園)で一発を含む3安打をマークした。ローテ入りを目指す虎の新人・小野、横山から快音を連ね、九回には岩崎からバックスクリーンへ特大アーチ。緒方監督も絶賛する打撃内容で、開幕スタメンをアピールした。
進化を証明する弾道がバックスクリーンへ伸びた。打った瞬間、堂林は打球の行方を確信した。感触をかみしめるように、ダイヤモンドを一周。首脳陣へ、開幕スタメンを強烈にアピールした。
「初球振り遅れて、高め(の直球)が強い印象があったので、振り負けないようにしっかり入っていこうと思いました。いい方向に飛んでくれました」
手応えは十分。今年初の“猛打賞”は、特大の一発で決めた。5-2の九回だ。1死無走者から虎のセットアッパー候補・岩崎と対した。初球136キロを空振りしたが、打席内ですぐさま修正。ボール球を2球見極めると、4球目の135キロを強振した。
開幕カードで激突する阪神に、新しい堂林を印象づけた。初回はルーキー・小野の直球を中前へ。球足が速い打球で瞬く間に二遊間を抜いた。四回は2死二塁から横山のスライダーを左前適時打。緒方監督が「いい内容のものが続いている」とうなずいたように、中身の濃い3安打だった。
「しっかり自分のスイングができました。毎日結果を出していかないといけない立場。でも、結果ばかりではなく、自分のやるべきことを見失わないようにしたい」
結果だけに一喜一憂しない。試合後は冷静に振り返った。昨秋から新井に弟子入りし、「新井打法」習得を目指してきた。日南先乗り自主トレでのフリー打撃では、打ちにいく際にバットを後ろへ引きすぎてグリップが体に隠れないように心掛けた。キャンプでもバットを振り込む日々。フォームを固め、沖縄の対外試合6試合で打率・318、1本塁打の結果につなげた。3月に入っても、打撃好調をキープ。首脳陣の全試合スタメン抜てきの期待に応えている。
まだ3月上旬。開幕スタメンはおぼろげだが「左翼・堂林」は1つの構想として、首脳陣の脳裏に刻まれているはずだ。甲子園は高校時代に全国制覇を果たし、プロでもメッセンジャーから初本塁打を放った場所。思い出深い聖地で、飛躍の予感を存分に漂わせた。