中崎、守護神から配置転換も 緒方監督「このままいけば考える」
「オープン戦、広島9-3日本ハム」(19日、マツダスタジアム)
鯉党の悲鳴と共に、左翼席へ白球が吸い込まれた。広島・中崎翔太投手(24)は、口を結んで額の汗をぬぐう。九回無死。岡に140キロの直球をはじき返された。「もう少し力強い球を投げないと。まだまだ」と悔しさをあらわにした。
150キロ強の剛球が武器だが、この日の最速は142キロ。制球も不安定だった。本塁打後、中島に左前打を許すと森山には四球。失点はソロ本塁打のみに抑えたものの、本来の投球は影を潜めた。畝投手コーチは「真っすぐが“たれて”いる感じ」と振り返った。
春季キャンプ終盤にインフルエンザを発症したことで調整が狂った。開幕まで2週間を切った段階でも、実戦登板はこの試合で2度目だ。「このままいけば考える」と緒方監督。オープン戦残り6試合で内容、結果が伴わなければ守護神からの配置転換を示唆した。
チームは既に有事を想定し、今村を九回で起用している。勝利の方程式の基本線は昨季と同様に七回・今村、八回・ジャクソン、九回・中崎だ。畝コーチは「状態を上げてくれることを信じている」と力を込めた。
「焦りは多少あるけど、そこを考えても仕方がない。やれることをやりたい。真っすぐの力強さを取り戻したい」。右腕は、そう言ってタクシーに乗り込んだ。