エルド目覚めた 開幕GO砲!お待たせOP戦41打席目
「オープン戦、ソフトバンク4-1広島」(24日、ヤフオクドーム)
広島のブラッド・エルドレッド外野手(36)に待望のオープン戦1号が飛び出した。五回、右中間に特大の一発を突き刺した。春季キャンプ中に発症した腰痛の影響で不振にあえいでいたが、この一撃で復調を確信。3・31開幕戦に向けて、頼れる大砲が一気にギアを上げる。
高々と舞い上がった打球が右中間スタンドに吸い込まれたのを確認すると、自信にあふれた足取りでダイヤモンドを回った。オープン戦15試合目、実に41打席目にして、エルドレッドに待望の一発が飛び出した。
五回無死。この回からマウンドに上がった石川の148キロ直球を豪快に振り抜いた。「最近、いい感じでバットが振れるようになっていたんだ。開幕が迫る中でやっと1本打てた。結果が出て良かった」。196センチ、122キロの巨体に安堵(あんど)感を漂わせた。
来日6年目、これほど絶不調にあえいだオープン戦はなかった。この試合が始まるまでは35打数2安打、打率・057と悲惨な状態だった。すべてのつまずきは春季キャンプ中に痛めた腰の影響だ。守備練習の際に痛みを訴え、「急性椎間関節症で加療1週間」と診断された。別メニューとなり、大幅な調整遅れにつながった。
このためオープン戦に入っても、打席の中で打撃の確認作業に追われていた。「スタンスの位置やスイングのバランス、タイミングの取り方などを考えていて、なかなか来たボールに対して集中できなかった」。だが、シーズン開幕が迫る中、ようやく本来の打撃を取り戻しつつあった。
「そろそろ1本出そうな気はしていた」とエルドレッド自身にも復調の予感はあった。
14年に37本塁打をかっ飛ばし、本塁打王のタイトルを獲得。過去5年間で101発をたたき出した助っ人の存在は、連覇を目指す今季も不可欠だ。「大丈夫。何か一つきっかけがあれば上向いてくる」と言い続けていた緒方監督も試合後は「そりゃ、心配したよ」と本音をポロリ。大砲の復調弾を喜んだ。
「今日は打席の中でしっかりと相手のボールに集中することができた。このホームランは今まで自分がやってきたことが間違いではなかったことを証明した」と胸を張ったエルドレッド。「4番・左翼」での先発が濃厚な3・31阪神との開幕戦へ向けて、一気に上昇気流に乗っていく。