新井に託した!カープの開幕4番 緒方監督「一番いいもの見せている」
「オープン戦、広島1-1ソフトバンク」(26日、マツダスタジアム)
広島の開幕4番が新井貴浩内野手(40)に決まった。オープン戦ラストのソフトバンク戦は「4番・一塁」で先発出場。3打数無安打に終わったが、緒方監督が打撃の状態を高く評価した。新井が4番で開幕を迎えるのは阪神時代の12年以来5年ぶり、広島では07年以来10年ぶりとなる。リーグ連覇へ、3月31日・阪神戦(マツダ)からチームの主役を張る。
カープの顔は今年もこの男だ。緒方監督が「開幕4番」に新井を指名した。オープン戦最終戦は3打数無安打に終わったが、主砲への信頼は揺るがない。指揮官は「今の状態を見たら、必然的にそうなるんじゃないか。彼が一番いいものを見せている」と明言した。
新井が開幕戦を4番で迎えるのは阪神時代の12年以来。広島では07年以来、実に10年ぶりとなる。くしくも今年の開幕戦の相手は古巣阪神。ベテランの存在感を発揮するには絶好の舞台だろう。それでも本人は自然体。指揮官の開幕4番構想を聞いても、表情一つ変えずにこう言った。
「何番だろうがやることは一緒なので。何番でも全力を尽くすだけ。言われたところ、場所で、しっかり結果を出すだけなので。何番だろうが関係ない」
オフは優勝旅行、名球会イベントなどで多忙を極め、調整がやや遅れ気味でキャンプインした。それでもキャンプ序盤は下半身を徹底的に鍛え、後半は日南に残りバットを振り込んだ。もう不安はない。3月後半には万全の状態に仕上げてきた。
「しっかりできた。不安なく入れます。じっくりやらせてもらいましたし、キャンプ、オープン戦と、大きなけがなくしっかりできたので、準備は整いました。(状態は)いいんじゃないかな」
オープン戦では15日・楽天戦(静岡)で右膝をグラウンドに強打。大事を取って4試合を欠場したが、実戦復帰した22日・オリックス戦(京セラ)でいきなり中越え二塁打。「(スタンドまで)行ったと思ったわ!フェンス破れとったぞ!」。翌日の練習前には阪神時代に指導を受けたオリックス・風岡コーチから冗談を飛ばされるほど、まだまだパワーも健在だ。
緒方監督は「(新井に)おんぶにだっこじゃいけない。新しく誰かが(4番に)座れるぐらいの活躍を期待したい」とハッパをかけることも忘れなかったが、結果がすべての勝負の世界だ。オフから「競争」という言葉を繰り返してきた新井が、実力で勝ち取った。
「開幕に向けて気持ちは自然と高まってくると思う。残りの日数もしっかり練習して臨みたい」。開幕ダッシュを、不惑の4番が導く。