岡田で首位タイ浮上!カープ6連勝導いた自己最長8回1/3を1失点
「広島2-1ヤクルト」(8日、マツダスタジアム)
昨季セ王者が止まらない。広島が1分けを挟んで6連勝を飾り、巨人と並んで首位に浮上した。これで開幕から3カード連続の勝ち越しとなったが、この日の立役者は2年目の岡田明丈投手(23)だ。自己最長の8回1/3を1失点で今季初白星をマーク。前日プロ初勝利のドラフト1位・加藤拓也投手(22)=慶大=に続き、2015年度ドラフト1位右腕が存在をアピールした。
緊張から一気に解き放たれた。ベンチで見守る岡田は、大引の打球が鈴木のグラブに収まるのを確認すると、笑みをこぼした。未知の世界となった九回のマウンドに立ち、自己最多となる147球の熱投。自身初の完封、さらには完投こそ逃したが、ローテの一角として存在感を示した今季初勝利だった。
初回から150キロを連発した。2死一塁ではバレンティンを、この日最速タイとなる152キロの直球で空振り三振。上々のスタートを切ると、回を重ねるごとに調子は上がっていった。再三のピンチも、力強い投球と味方の好守で八回までスコアボードにゼロを並べた。
今季初登板だった1日・阪神戦(マツダ)は4回で7四球を与え、自己ワーストタイの6失点。乱調の原因だった力みなどを修正し、中6日でこの日のマウンドに上がった。「力まずにしっかり自分のボールを投げるということに重点を置いた。完投ということを目標にしていたので、そこ(九回)で力んでしまったが、チームが勝ったのでよかった」。九回に1死から畠山に二塁打、続く中村を四球と出塁を許した場面を反省しつつ、ホッと胸をなで下ろした。
期待されればされるほど力を発揮する男だ。大商大では4年からエースを任された。つらい練習にも表情を変えず平常心で取り組み、チームをけん引。恩師の富山陽一監督は「そういった姿に他の選手たちは影響されていた」と振り返る。
岡田は1月にあいさつや練習を兼ねて母校を訪問した。「先輩の活躍というのは後輩たちにも励みになる」と富山監督。新人だった昨年は4勝3敗に終わった右腕だが、後輩たちのためにも2年目の今季は飛躍を見せる覚悟で臨んでいる。
前日の加藤に続く若鯉の活躍に、緒方監督は「しっかり調整して準備し、力を発揮してくれた。大したものだ」と称賛した。初の完投勝利はお預けとなった岡田だが「完投できることが先発としての最高の仕事。できることなら長いイニングを投げていきたい」ときっぱり。チームのためにも、次こそ1人で最後まで投げ切ってみせる。