加藤 苦投6回8四球3失点 プロ初黒星で鯉の連勝「10」で止めた
「阪神4-2広島」(14日、甲子園球場)
広島のドラフト1位・加藤拓也投手(22)=慶大=が6回5安打3失点でプロ初黒星を喫した。プロ初登板の前回7日・ヤクルト戦(マツダ)は九回1死まで無安打投球でプロ初勝利を挙げたが、2試合連続の快投とはならず。引き分けを挟んだチームの連勝は「10」で止まった。
プロ2度目の登板はほろ苦かった。衝撃のデビューから中6日。大型連勝へのプレッシャーも高まる中、加藤は6回5安打3失点。前回の再現はならず、プロ初黒星を喫した。
「そんなに前回と変わらなかった。ムダ球が多かったので、それは徹底していかないといけない。バントも自分がミスして、その後に点を取られたので。負けた原因は、すべてピッチャーにある」
試合後は敗戦の責任を背負い込んだ。悔やまれるのは三回。1死から2番・上本に三遊間を破られ、続く糸井への初球に二盗を許した。この試合2つ目の盗塁で揺さぶられると、四球と内野安打で1死満塁。この勝負どころで制球難が顔をのぞかせ、原口に先制の押し出し四球。続く鳥谷にはカウント球のフォークを右翼線へ運ばれ、2点二塁打とされた。
ただ、失点はこの回だけ。六回まで毎回、走者を背負いながらも粘り強く投げた。最速151キロの直球で打者を押し込み、フォークとスライダーで緩急をつける。持ち味を発揮した一方で、前回の7四球に続いてこの夜も8四球を献上。緒方監督は「難しいよね」と評し、「初登板のときも言ったことだけど、長所もあるし、短所もあるし。結果的に見れば一応、6回3失点だからね。ただ新人の2試合目。チャンスをつかんでの登板だったからね」と続けた。
加藤らしい気迫も見せた。二回に梅野の強烈なライナーが、右太もも付近を直撃。いったんベンチで治療を受けたがすぐさまマウンドへ。投球への影響は「そこは何も関係ない。言い訳になるので」とキッパリと言った。
プロ初登板した前回7日・ヤクルト戦(マツダ)は九回1死まで無安打投球。快挙達成こそ逃したが、見事にプロ初勝利をつかんだ。可能性を感じさせるからこそ、期待値は高いままだ。次回は21日・ヤクルト戦(神宮)に先発する可能性が高い。課題は明確。大学時代に慣れ親しんだ場所で、成長した姿を見せる。