緒方監督プロ初退場 “誤審続き”ブチ切れた!試合後は対応せず険しい表情
「広島0-4DeNA」(19日、マツダスタジアム)
広島の緒方孝市監督(48)が、現役時代を通じても初の退場処分を受けた。七回2死一、二塁。遊撃へのゴロを放った小窪が一塁へヘッドスライディングし、際どいタイミングがアウトと判定された。これに指揮官が猛抗議。一塁の山路塁審に暴言を吐いたとして退場となった。チームは今永の前に1安打で今季初の零敗。20日は悔しさを晴らしカード勝ち越しを決める。
3点を追う七回だった。2死一、二塁で小窪が遊撃へゴロを放つ。全力疾走し、一塁へヘッドスライディング。際どいタイミングに判定は「アウト」。その瞬間、緒方監督がベンチから鬼の形相で飛び出した。
一塁・山路塁審の元に詰め寄ると、激しい口調で猛抗議。身ぶり手ぶりを交え「セーフだ」と主張した。だが、判定は覆らない。それでも矛を収めない姿勢に、暴言があったとして、現役時代も通じて初の退場を命じられた。
伏線があった。直前の六回1死の攻撃だ。田中が遊撃へゴロを放ち、一塁を駆け抜けた場面も「アウト」をされた。「どう見てもセーフ。僕らは一生懸命やっている。審判の人も人間だし間違いはある。でも誰が見てもセーフ。試合時間が長くなっても一塁もビデオ判定をすべき」と田中。このプレーも微妙な判定だったことで、指揮官が山路塁審に抗議していた。誰よりも強い勝利へのこだわりを持つ。“誤審”が繰り返されたことに、黙っていられなかった。
プロ人生初の退場処分を受けた緒方監督は試合後、報道陣には対応せず、険しい表情で帰りのタクシーに乗り込んだ。代理監督を務めた高ヘッドコーチは「あれはちょっと。どちらも誰が見てもね。監督が怒るのは仕方がない」と指揮官の思いを代弁した。
闘将のゲキに応えたかったが、この日は今永の前に打線が沈黙した。立ち上がりをとらえ、初回無死一、二塁と一打先制の場面を作ったが、1死一、三塁となり新井が遊ゴロ併殺打で無得点。二回以降は、低めにコントロールされた球に対応できなかった。わずか1安打で、今季初の零敗を喫した。
チームは開幕からいまだ連敗がない。20日の一戦は、3連戦の勝ち越しをかけた戦いにもなる。田中が「またあした、頑張ります」と言えば、選手会長の小窪は「連敗をしないように、きょう、やられた分をあしたは取り返したい」。緒方監督の熱い姿勢で団結力をさらに強くしたチームが再び進撃する。