岡田カープトップ3勝 プロ初完封お預けも豪腕うなった8回1失点
「DeNA1-6広島」(29日、横浜スタジアム)
全力で腕を振った118球目が、広島の中堅手・丸佳浩外野手(28)の前ではずんだ。八回2死三塁。この日最速となった154キロの直球を、DeNA・石川にはじき返された。プロ初完封が夢と消えた瞬間。それでも岡田明丈投手(23)は、選んだ1球に「悔いはない」と言い切った。
豪腕の迫力を見せつけた。石川の打席では1球ごとに球速が上がる。「真っすぐは、もう少しだった」。そう言ったが、序盤から140キロ台後半を連発。3度対戦した筒香を2度、直球で打ち取るなど力でねじ伏せた。8回6安打1失点に、緒方監督は「きょうは岡田。ナイスピッチング」と目尻を下げた。
「10年後も真っすぐで押す投球をしたいんです」と先を見据える。登板後はどれだけ疲労がたまっていても筋力トレーニングなどの質や量は落とさない。昨季まで共にプレーした黒田氏が、そうだった。マウンド以外での妥協なき姿勢は、今も脳裏から離れない。理想の投手像を思い描きながら日々、積み重ねる練習が結果に結びついている。
チーム最多となる3勝目を手にした。だが2度、送りバントを失敗し攻撃の流れを切った。「しっかり練習したい」。自身、そしてチームの白星を増やすためにも、新たな課題に取り組む。