新井 奮闘の先発・中村祐に援護弾「何とかしたかった」
「広島7-4中日」(3日、マツダスタジアム)
芸術的な一発が打線に火を付けた。0-2の四回1死一塁。広島・新井貴浩内野手(40)が吉見の内角球を狙い澄ました。腕をたたんで捉えた打球は左翼スタンド最前列に着弾。今季5号2ランで試合を振り出しに戻した。
「厳しいコースだったけど、うまく打てました!ツーシームがすごく良かったので、頭にはありました。予感かな…ハッハッハ!」
チームは四回から4イニング連続得点。今季10度目の逆転勝ちにベテランは上機嫌だ。前日2日は6番だったが、この日は5番。「何番を打とうが自分のやることは一緒」という言葉通り、二回は中前へチーム初安打、七回も右前へ運んだ。意外にも今季初の3安打猛打賞だ。
マウンドでは19歳下の先発・中村祐が奮闘していた。「祐太も頑張っていたしね、何とかしたかった」。ピンチでは声を掛けて励まし、打席では援護点で勇気づける。何とも頼もしいベテランだ。
偉大な記録も刻み続けている。これで通算2133安打。選手会などで親交のある宮本慎也(ヤクルト)と歴代24位タイで肩を並べた。試合後に記録を知ると「個人的にも大変お世話になっているし、偉大な先輩に並べて恐縮です」と謙虚に感想を語った。
クールな緒方監督も上機嫌だ。「新井打ったの?」とおどけ「頼もしいね」と最敬礼。鯉の季節も40歳は元気だ。