緒方鯉、一丸前進あるのみ!2年ぶり同一カード3連戦3連敗も
「阪神6-0広島」(7日、甲子園球場)
広島が今季4度目の零封負けで、2年ぶりに同一カード3連戦3連敗を喫した。昨季1度しかなかった3連敗は今季早くも2度目。能見攻略のため、前日6日に9得点した打線を組み替え。2番に堂林、6番にペーニャを起用するなどしたが無得点に終わった。9日からは敵地でヤクルト戦に臨むが、緒方孝市監督(48)は「うちの目指す野球を1試合1試合、やっていくだけ」と前を向いた。
虎党の歓声と鯉党のため息が交差した。ゴールデンウイーク最終日の一戦で、声をからし応援してくれたファンの期待に応えられなかった。7安打無得点。今季4度目の零封負けで、2年ぶりの同一カード3連戦3連敗を喫した。
堂林を今季初めて2番で起用。6番にはペーニャを置く布陣で臨んだ。立ち上がりに課題がある能見から初回、いきなり好機をつくる。田中の左前打をきっかけに丸、鈴木が連続四球を選び全ての塁を埋めた。
だがそこからが続かない。能見に相性がいい新井、そして初スタメンのペーニャがフォークでいずれも空振り三振に打ち取られた。「しっかりと腕が振れていたし直球、フォークともキレがあった」と石井打撃コーチ。最大の得点機を逃し、その後はスコアボードに「0」が並んだ。
5日の初戦は終盤に逆転され、前日6日は9点差をひっくり返される歴史的黒星を喫した。阪神戦の3連戦3連敗は13年以来、甲子園に限れば06年以来、11年ぶりだった。
コンディション不良で今回の3連戦全てを欠場した菊池の存在の大きさが、改めて浮き彫りになった。6日は二塁で出場した西川が守備でミス。この日は2番・堂林が4打数無安打3三振を喫した。復帰が待たれる背番号「33」はこの日の全体練習に復帰し、内野でノックを受け、フリー打撃にも加わった。日を追うごとに状態は上向き、笑顔が増えてきた。「(次は)行くんじゃないかと思います」と石井コーチ。9日のヤクルト戦(神宮)からの復帰が濃厚だ。
阪神に首位を明け渡し、追いかける立場となった。それでも時は5月。シーズンの3分の1も終わっていない。鈴木が「まだ先は長い」と言えば、新井は「いい時ばかりではない。こういう時こそ一丸となって試合に臨んでいきたい」と続けた。1つの白星が浮上のきっかけになる。強い団結力はカープ最大の武器。「チームの状態が悪くなったからといってどうのこうのはない。うちの目指す野球を1試合1試合、やっていくだけ」。緒方監督は選手を信じて、グラウンドに送り出す。