野村、エースの意地で7回2失点 連敗止まらずも…緒方監督「よく投げてくれた」
「ヤクルト3-2広島」(9日、神宮球場)
サヨナラ勝利の余韻が残るグラウンドで、広島・野村祐輔投手(27)は厳しい表情のままクラブハウスへ歩を進めた。7回、112球を投げ5安打2失点(自責点1)。試合をつくったが、リードを守り切れなかった。「チームが負けたことが悔しい?そういうことです」。表情は、険しいままだった。
1-0の四回だ。大引の二塁打で得点圏に走者を背負うと、山田の中前適時打で同点。さらに無死二塁からは、雄平に右翼線を破られる適時二塁打を浴びた。3連打で2失点。一気に試合をひっくり返された。
昨季16勝を挙げ、先発陣の大黒柱として期待される今季。試合をつくるだけでは、決して満足できない。目指すのは、さらなる高み。エースと呼ばれる存在になるための戦いでもある。
五回以降は粘りの投球。両コーナーを丁寧に突きながら、ヤクルト打線を封じた。一人も走者を出さない姿に、緒方監督は「祐輔がよく投げてくれた。点は取られたけど、本当にしっかりと投げてくれた」と賛辞を贈った。
球団広報を通じ「失点した後、3イニングを粘れたことは、次につながるピッチングになったと思う」とコメントした右腕。悔しさを忘れず、野村が次回のマウンドに立つ。