福井、鬼門でまた勝てず…背信7失点 神宮での通算防御率は7・94
「ヤクルト12-3広島」(11日、神宮球場)
唇をかんでグラウンドを通り、クラブハウスへ向かった。ワンプレーが勝敗を左右した。先制点に直結した悪送球。広島・福井優也投手(29)は「ミスだった。あそこできっちりとできていれば、こうはなっていない」と自らを責めた。
0-0の二回1死一、三塁からの大引の投ゴロ。「ランナー(三走)が見えたので焦ってしまった」。併殺を狙って二塁へ送球した球がワンバウンド。中前に抜ける間に生還を許した。平常心を保てず、バットでは2打席連続で送りバントを失敗。6回10安打7失点(自責点6)。最後まで歯車は狂ったままだった。
またしても鬼門を突破できなかった。神宮での白星は、1年目の11年8月31日以来、手にしていない。これで神宮でのヤクルト戦は、通算9試合で1勝5敗、防御率7・94。自らの殻を破れないでいる。
次回登板について畝投手コーチは「まだ、分からない」と言った。だが、ジョンソン、ドラフト3位・床田(中部学院大)が離脱中で、一時ローテ入りした同1位・加藤(慶大)も2軍で再調整中だ。先発陣の台所事情は危機的状況なだけにチャンスは残されている。
福井は「ゼロからやっていきたい」と前を向いた。グラウンドを歩く途中、鯉党からもらった「次、頑張れ!」の言葉を力に変えて失地回復に挑む。