岡田 G倒で4勝目 甲子園の悪夢払しょく 中4日も「挑戦したい」
「広島11-2巨人」(13日、マツダスタジアム)
広島の岡田明丈投手(23)が7回5安打2失点の好投でチームトップの4勝目。前回6日の阪神戦(甲子園)は六回途中7失点で降板し、9-0から歴史的な逆転負けを喫する引き金になった。汚名返上の力投。打線は13安打11得点で本拠地6連勝を飾り、首位・阪神に1・5差に迫った。
ラッキーセブンの攻撃を前に、スタンドは赤一色のジェット風船で埋まった。打ち上げの時を待ちわびる鯉党に、岡田が笑顔の花を咲かせる。「リリースでしっかり投げられた」。七回1死一、二塁から2者連続三振。最高の形で終盤のピンチを切り抜け、広島の空に“祝砲”が上がった。
本拠地で2年目の成長を感じさせる粘りの投球をみせつけた。4-0の四回。阿部に右越え2ランを浴びて2点差。マギーにも左前打を許し、球場内に不穏な空気が漂い始めた。それでも「打たれたのはしょうがない。次の打者を抑えようと思いました」。平常心で右腕を振り抜き、リードを守り抜いた。
悪夢を振り払った。6日の阪神戦(甲子園)。9点のリードをもらいながら、六回途中7失点降板。チーム22年ぶり2度目という9点差を大逆転される歴史的敗戦のきっかけを作った。この日は「ピンチで力が入りやすいので、そこを意識しました」。得点圏に走者を置いた場面でも気負わず、150キロ超の直球で押しまくった。
白星もさることながら、投球回に強いこだわりを持つ。長いシーズンで安定したパフォーマンスを発揮するため、体のメンテナンスには人一倍の気を配る。DeNA戦(横浜)登板翌々日の5月1日には、帰広後に再び新幹線に乗って大阪へ。高校時代から通うクリニックで約2時間、ストレッチなどを行った。「ケガをする前に、その原因をつぶしたいので」。毎月2回ほど足を運ぶ。長い回を投げることが、先発としての責務だと思っている。
登板予定だった12日が降雨中止となり、2年目で初のスライド登板。「問題なかった」と7回5安打2失点にまとめた。バットでは六回に今季初安打となる右前打で好機を広げ、田中の右犠飛を呼び込んだ。
ジョンソン、野村に次ぎ、投手陣の柱へと成長を遂げつつある。緒方監督は今後のチーム状況に応じ「中4日で行ってもらいたい気持ちもある」と期待を寄せた。「挑戦したい」と前を見据えた岡田。フル回転する覚悟はある。