菊池猛打賞 驚異の粘りも今季2度目サヨナラ負け「勝たないと意味がない」

 「中日5-3広島」(19日、ナゴヤドーム)

 昨季のセ王者らしく、最後まで諦めない姿勢をみせた。2-3の九回、広島は2死走者なしから一、二塁とし、菊池涼介内野手(27)の中前適時打で試合を振り出しに戻した。結果的に今季2度目のサヨナラ負けとなったが、1番・田中広輔内野手(27)と菊池の“タナキクコンビ”が計5安打の大暴れ。ただでは終わらない鯉打線の怖さを、竜投手陣に印象付けたはずだ。

 予期せぬ結末が待っていた。3-3で迎えた延長十回2死一塁。ナゴヤドームにすさまじい打球音がこだました。ビシエドの打球が、無情にも左中間席に突き刺さる。開幕から18試合連続無失点に抑えてきたジャクソンがまさかの被弾。今季2度目のサヨナラ負けに、赤く染まった左翼席は静まり返った。

 勝利こそつかめなかったが、意地は見せた。2-3の九回。先頭のペーニャ、代打・安部が連続空振り三振に倒れて2死。しかしここから驚異的な粘りを発揮する。代打・西川が四球を選ぶと、田中は死球。2死一、二塁となり、菊池が中前へ適時打。中日の守護神・田島を打ち崩し、土壇場でゲームを振り出しに戻した。

 「たまたまです。負けたので、特に何もないです。勝たないと意味がないので、また明日頑張ります」

 試合後、菊池は厳しい表情を崩さず、バスに続く通路を歩いた。それでも3本のヒットの価値は色あせない。菊池だけではない。田中も1番打者として打線を鼓舞した。

 1点を追う三回2死から田中が右中間をライナーで破り、菊池は四球で出塁。得点にこそ結びつかなかったが、じわじわと中日先発・小笠原を揺さぶる。五回も2死から田中が左越え二塁打で好機をつくると、菊池が左中間を真っ二つに割った。反撃の口火を切る適時二塁打に、試合中に球団広報を通じて「打ったのはストレート。とにかくランナーをかえそうと。必死に走りました」とコメント。その言葉には気合がにじみ出ていた。

 悔しい敗戦の中で、2人の存在の大きさが改めてクローズアップされた。東海大相模の後輩・小笠原から2安打した田中は「後輩?関係ない。しっかり狙い球を絞って打つことができた。気持ちを切り替えて、やっていきたい」と前を向いた。指揮官は九回の攻撃を「素晴らしい。(2死)走者なしからだから」とたたえ、悲観することはなかった。首位阪神も敗れ、ゲーム差は1・5のまま。やられたらやり返す。広島らしい戦いで雪辱する。

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