大瀬良1カ月ぶり勝った 離脱野村の分も“奮投”虎に0・5差
「広島6-1ヤクルト」(24日、マツダスタジアム)
広島の大瀬良大地投手(25)が6回を3安打無失点と好投し、約1カ月ぶりとなる今季2勝目をゲットした。チームは2連勝で首位・阪神と0・5ゲーム差まで接近。このまま白星を積み重ねて、5月5日以来となる首位返り咲きを狙う。
試合終了の瞬間、大瀬良はベンチでスタッフとグータッチを交わした。4月27日・巨人戦(マツダ)以来、約1カ月ぶりとなる待望の今季2勝目。勝利の味から遠ざかっていた分だけ、うれしさがこみ上げた。
「大事にいき過ぎた部分があった。投げ急ぐより、このイニングは球数を使ってもゼロで抑えればいいかなと開き直っていた」
小雨が降り続ける中、粘り強い投球を見せた。初回、安打と四球で2死一、二塁。バレンティンを打席に迎えた。フルカウントからの6球目、外角への145キロ直球で空振り三振。この回だけで29球を要したが、無失点で切り抜けた。
尻上がりに調子を上げ、スコアボードに「0」を並べ続けた。最終イニングとなった六回は三者凡退で締めた。6回を3安打無失点で中継ぎに勝利のバトンをつないだ。
開幕からローテを守り続ける。コンディションには人一倍気を遣っている。春季キャンプは2年連続でケガに泣いた。同じ失敗はできない。「去年のケガがなかったら、アプローチしていなかった。ケガをして学んだこともたくさんある」。ストレッチではこれまでやっていなかったろっ骨や脊柱を意識して行っている。
前回17日のDeNA戦(マツダ)は、勝ち星こそ付かなかったが7回1失点。これで2試合連続での好投だ。緒方監督は「いい投球をしてくれた。(雨で)グラウンドコンディションが悪い中、守りにも助けられて、投打ともにいいゲームだった」とナインの奮闘をたたえた。
この日、投手の柱として引っ張ってきた野村が腰の違和感で登録抹消された。「チームにとって大きな痛手ですが、みんなで力を合わせてやっていくしかない。僕にできることがあればやっていきたい」と大瀬良。投手キャプテンが抜けた穴を全員で協力して埋めていく。
チームは連勝で首位・阪神に0・5ゲーム差。今季8試合に登板し、2勝0敗と無敗の男。次回は中5日で30日の西武戦に登板する可能性もある。ようやくトンネルを抜けた右腕が、今度は連勝街道を突っ走る。