安部 首位打者じゃ ついに「隠れ」取れた! 2安打2打点で勝利に貢献
「巨人2-7広島」(26日、東京ドーム)
広島の安部友裕内野手(27)が規定打席に到達し、打率・351でセ・リーグトップに躍り出た。「5番・三塁」で先発出場。二回の第1打席に三塁打、六回には無死二、三塁で中前に2点適時打を放ち、2安打2打点の活躍で勝利に貢献した。チームは巨人戦5連勝で今季8勝1敗と圧倒。首位・阪神にはゲーム差なしに迫った。この勢いで突っ走る。
隠れ首位打者が、ついに表舞台に現れた。東京ドームに乾いた快音を響かせた安部。左翼席の鯉党から大歓声が注がれる中、二塁ベース上で右手人さし指を立てて感情を爆発させた。
「試合がどうころぶか分からない緊迫した場面で2点が入ったのはよかった。(カーブが)もう来るかなと思っていたのでセンターに返せたと思う」
振り返ったのは1-0の六回だ。先頭の丸が中前打で出塁し、続く鈴木の右翼フェンス直撃二塁打で、無死二、三塁のチャンス。打席に立った安部はマイコラスに追い込まれながらもファウルで粘り7球目、真ん中に甘く入ったカーブを捉えた。中前へ2点適時打。試合の流れを一気に引き寄せた。
二回は、1死から右翼へ三塁打をマーク。得点にはつながらなかったが存在感を見せた。「これまでなら交代が告げられていたんですけど、立たせてもらえたのでよかったです」。七回は左腕の戸根がマウンドに上がったが、そのまま打席へ。結果は死球だったが、苦手とする左投手での起用に自信を得た。
この日5打席に立ち、ついに規定打席に到達。打率・351でセ・リーグトップに名乗りを上げた。打席に入る前は電光掲示板の数字は確認しないようにしているが「分かっていたこと。(打率トップに立って)うれしくないわけではない。とにかくチームの勝利に貢献できればいい」と浮かれることはない。
緒方監督は「今からが勝負。それだけ数字を残しているということは自分の目指している打撃をやってきた積み重ね。このまま続けてほしい」と称賛。東出打撃コーチも「キャンプから左方向の打撃を自分からするようになった。ボールの内側をあっち(左)に打つように自然となっている」と高く評価した。
巨人を相手に同一シーズンでの5連勝は06年以来。首位・阪神にゲーム差なしに迫った。「好調ではないですけど、つなぐ気持ちを常に持ってやっていきたい」と安部。5日以来の首位奪還へ連勝街道を突き進む。