大瀬良気迫の2連勝 両足けいれんも気持ちで5回投げ切った
「交流戦、西武4-9広島」(31日、メットライフドーム)
先発として、最低限の仕事を果たさなければいけない-。広島・大瀬良大地投手(25)には強い責任感があった。両足がけいれんして一端、ベンチに戻り治療を受けた。「自分で招いたピンチだったし、降りるのは嫌だった」。気持ちで投げ切った5回104球だ。
アクシデントは三回に起こった。源田の遊撃内野安打に、田中の失策が絡んで1点を失った直後。両足に違和感を覚えた。だが、マウンドを降りるという選択肢はなかった。テープを巻いて応急処置。2死二塁をしのぎ、最少失点で切り抜けた。
本来の投球はできなかった。前回登板では、踏み出す左足の歩幅を7足から約6足半に縮め、6回3安打無失点と好投した。この日は序盤から歩幅が合わず、元通りの7足に近づけた。気持ちを切り替え「悪い状態の中で抑えていこうと思った」。理想を追い求め過ぎず、試合をつくることだけに意識を集めた。
5回4安打1失点(自責点0)で3勝目を手にした。胸にあるのは、チームへの感謝の思いだ。「野手のみなさんに助けてもらいました」。続けて「今日はチームに迷惑をかけた。次は1回でも長く投げて、試合をつくりたい」。先発完投が理想像。悔しさを新しい力に変えて、マウンドに立つ。