代役・安部が猛打賞 再び首位打者に 菊池欠場で初めて勝った
「交流戦、広島6-5ロッテ」(3日、マツダスタジアム)
意地が詰まった3安打だった。「2番・二塁」で先発出場した広島・安部が、初回の右前打で勢いづいた。三回には、反撃の起点となる左翼線へ二塁打を放つと、四回にも右前打をマーク。5月6日・阪神戦以来、今季4度目の猛打賞で打率・333とし、再び首位打者に浮上した。
「ここ最近は積極的に打ちにいけていなかった。打席の中で思い切りいくことと、バットを素直にコンパクトに出すことを意識していた」
5月26日の巨人戦で規定打席に到達して以降は、5試合で2安打。首位打者に対する意識が大きく影響した。これまでは意識的に見なかったスコアボードの数字や新聞などの打撃成績。「あえて見ないようにすると気にしてしまう。それなら逆に見てめちゃくちゃ意識してやってやろうと思った」。開き直って打席に向かった。
この日はコンディション不良の菊池が完全休養。今季チームは菊池欠場時に4戦全敗だった。安部が前回、二塁で代役を務めた5月20日・中日戦では送球の判断ミスが先制点につながった。
この日は守りも無難にこなし「準備はしている。守ったことがないポジションでもないですし、不慣れとか言い訳にならない」。頼れる男が攻守で同級生不在の穴をしっかり埋めて見せた。(井上慎也)
4回、右前にこの日3安打目を放つ安部(撮影・吉澤敬太)