中村祐、粘投6回2失点で無傷3連勝 ジョンソン復帰でもローテ確定
「交流戦、広島7-1ロッテ」(4日、マツダスタジアム)
唇を結びながらロッカーへ続く階段を上がる。広島・中村祐太投手(21)が最初につぶやいたのは反省の言葉だった。「あの1点が本当に悔しい」。6回4安打5奪三振1失点(自責点0)で3勝目。それでも浮かれることなく、自らを律した。
4-0の六回2死二塁だ。ダフィーの鋭い打球が左手首付近を直撃。拾い直しての一塁送球が大きくそれた。「勝ちは野手のおかげ。でも負けは自分の責任」。1つの悪送球が勝敗に直結する。追加点をもらった直後だけに、犯してはならないミスと自覚している。
序盤の踏ん張りが攻撃にリズムを生んだ。二回2死満塁を切り抜けると、三回のピンチでも無失点。下半身を目いっぱい使った躍動感あるフォームから、力でねじ伏せた。
新人だった14年の秋季キャンプで脚光を浴びたが、右足首を故障。翌年2月に手術を受けた。患部は今でもボルトで固定している。「あのケガがあったから今、3勝できている」。フォームを一からつくり直し、下半身の重要性を再確認した。決して遠回りしたとは考えていない。
ジョンソンが9日・楽天戦で復帰予定。先発陣の再整備が行われるが、中村祐はこのまま先発として起用される見込みだ。「与えられた場所で頑張るだけ」。収穫と課題の日々を繰り返しながら、成長曲線を描いていく。