野村 逆転星呼んだ魂の110球 負けられない一戦で存在感見せた
「交流戦、広島3-2ソフトバンク」(17日、マツダスタジアム)
広島・野村に笑顔の花が咲いた。八回、丸に決勝弾が飛び出す。7回7安打2失点の力投。自身に勝ち星はつかなかったが、全員野球でつかみとった勝利を心の底から喜んだ。
「チームが勝つことが一番。一丸で戦えました。丸の逆転弾?すごいですね」
初回、今宮に先制ソロを浴びるなど四回までに2点を先取された。フォームのバランスが悪く、手探り状態だったと言う。「自分のフォームで投げられなかった。その中で何とか修正しながらだった」。失点した回は、いずれも最少失点で踏ん張った。
昨季まで以上に投球回数にもこだわりを持つ。長い回を投げ抜くため、今季は調整期間中に昨季は1度だった高負荷トレーニングを2度、行う。「体の強度が上がれば疲労軽減にもなるし、長い回を投げることにもつながる」と三浦トレーナー。次回登板へ向けての調整と同時並行しながら行う肉体強化。チーム、そして自らの成長のためにも妥協はしない。
球団史上初の交流戦“優勝”に向け、負けられない一戦で存在感を示した。「1球1球が勝負球だと思って投げました」と汗をぬぐった右腕。魂を込めて投げ込んだ110球が、23度目の逆転劇を呼びこんだ。