広島、50勝!日本一以来37年ぶり2年連続セ一番乗り 18日にも優勝マジック点灯
「ヤクルト2-8広島」(8日、神宮球場)
広島が一発攻勢で3連勝を飾り、昨季に続きリーグ一番乗りで50勝に到達した。三回に菊池涼介内野手(27)が7号ソロ、鈴木誠也外野手(22)が17号ソロを放つと、六回は会沢翼捕手(29)が3号2ラン、菊池がこの試合2本目の8号2ラン。1試合4本塁打は今季5度目で、2試合連続4発以上は15年ぶり7度目だ。2位・阪神とのゲーム差は9に広がり、独走態勢。最短で18日に優勝マジックが点灯する。
真夏を前に、連夜の花火大会だ。3万631人が詰めかけた神宮の夜空に、4本の美しいアーチが描かれる。菊池が2本、鈴木、会沢がそれぞれ1本。セ界最強打線の力を示して、2年連続でのリーグ50勝一番乗りだ。
花火が発射する前に、打ち上げ筒に火薬を詰めたのは田中だ。初回、10球ファウルで粘るなど石川に15球を投げさせた。「初回、広輔の打席が大きかった。あれで、今日も行くぞ!という雰囲気をつくってくれた」と石井打撃コーチ。左腕攻略へ準備が整った。
すると三回、菊池の7号ソロで幕が上がった。石川のクイックモーションにうまく反応し、スライダーをバックスクリーンへ突き刺す。さらに鈴木が続き、高めのカットボールを、鯉党が待つ左翼席に運んだ。
試合前の打撃練習中、22歳の若武者に厳しいヤジが飛んだ。「もっと練習しろ」。最大6点差をひっくり返した前日7日は、5打数無安打。DeNA・ロペスと打点王を争うが、自身は打撃内容に納得しておらず高みを目指す途中。悔しさを胸にしまい、結果を残した17号ソロだった。
六回は会沢が右中間へ2ランをたたき込むと、締めの一発も菊池。2本目となる左越え2ランで宴を終えた。2試合連続4本塁打以上は02年以来7度目。緒方監督は「一振りで、しっかり自分のスイングをしてくれた。その中で最高の結果を出してくれた」と目を細めた。
2試合で計8本塁打だが活発な打線の中でも反省点があった。2度の無死二塁で、いずれも無得点。「いつも、いつも打てる訳ではないから。確実に1点を取らないと」と石井コーチ。これからはしびれる舞台が待つ。先を見据えながらかぶとの緒を締めた。
79試合目での50勝到達は、80年の78試合に続いて球団史上2番目のスピード記録だ。2位・阪神が敗れゲーム差は「9」。最短で18日にもマジックが点灯する。「昨日は昨日、今日は今日、明日は明日」。菊池がナインの声を代弁した。勝っても負けても大事なのは気持ちの切り替え。目の前の1試合に全力を傾ける先に、まぶしい光が待っている。