全セ・薮田 8球オール直球で3人斬り 初球宴MAX155キロ「楽しかった」

 「マイナビオールスターゲーム・第2戦、全パ3-1全セ」(15日、ZOZOマリンスタジアム)

 全パが全セに連勝し通算成績は82勝78敗、11分けとなった。全セの5番手で八回に登板した広島・薮田和樹投手(24)はオール直球勝負。日本ハム・レアードから空振り三振を奪うなど、1回をわずか8球でパーフェクトに抑えた。全セを率いた緒方孝市監督(48)も右腕の直球を絶賛。シーズン最後までの活躍に期待した。

 あこがれの舞台で、ベストパフォーマンスを発揮した。代名詞のタテ割れツーシームはあえて封印。薮田がオール直球、最速155キロの真っすぐで押し通した。

 「すごく楽しかったです。結果的に三者凡退に抑えられた。緊張はなかったです。全球ストライクゾーンに全力で投げられました」

 全セの大トリで、2点ビハインドの八回に登板した。先頭の西川に“走り打ち”で意表を突かれたが、間一髪で遊ゴロに打ち取った。1死を奪うと、剛球の威力はますますアップ。この夜3安打1本塁打していた4番・デスパイネも154キロで押し込み、一飛に。最後は3球連続ファウルしたレアードを155キロの直球で、豪快に空を斬らせた。1回を無安打無失点、わずか8球で最高の球宴デビューを飾った。

 球宴前日の13日に、DeNA・山崎康ら亜大時代の同級生4人と食事に出掛けた。居心地いい空間で串揚げに舌鼓を打ち、会話の花が咲かせた。「大学時代から変わっていない。良かった」としみじみ。山崎康はプロ1年目から新人王に輝くなど活躍した。今季は薮田も前半戦だけで8勝をマーク。同級生と出場した球宴の舞台はまた格別だった。

 「オールスターに出られただけでも収穫でした。自分はまだ知られていないと思うので、このメンバーを見て確実に入ってこれるようになりたいです」

 この2日間、他球団の選手と積極的にコミュニケーションを図った。山崎康はもちろん中日・又吉、巨人・菅野。「いろんな話をしました。感覚の話になるんですけど…」。一流の技に触れ、向上心に一段と火が付いた。

 「スピードもかなり出ていたね。球の力も菅野に負けないぐらいだった。いい経験になったと思う。シーズンの最後まで息切れせず頑張ってほしい」

 全セを率いた緒方監督も驚きの表情でまくし立てた。その言葉を伝え聞いた薮田は力強くうなずき「1年間、1軍でやり通すことが今年の目標。しっかりやっていきたいです」と決意を新たにした。スタンドにはモデルで妻のkarunaの姿も。後半戦へ、圧巻の投球で弾みを付けた。

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