薮田、圧投9Kで9勝目!先発6戦全勝で2桁王手 2位阪神に9差
「広島6-3中日」(22日、マツダスタジアム)
広島・薮田和樹投手(24)がプロ初の2桁勝利に王手をかけた。6回3安打2失点の好投で、リーグ2位タイの9勝目をマーク。チームに後半戦本拠地初勝利をもたらした。交流戦中の5月30日・西武戦で先発に転向して以降、無傷の6戦6勝。2位・阪神が敗れ、ゲーム差は「9」に広がった。
ダース・ベイダーのライトセイバーばりのキレ味だった。1点の援護をもらった直後の五回だ。2本の安打で2死一、三塁のピンチを背負った薮田は投手柳に対して、151キロ直球をズバッ!見逃し三振で窮地を脱した。
後半戦初マウンドは「感覚があまり良くなかった」と苦しんだ。こんな時に頼りになるのが、最も自信を持つツーシームだ。初回を無失点に抑え、二回以降も宝刀を武器にして奪三振ショーを展開。「ツーシームで五回まで何とか組み立てられた」とスコアボードに「0」を刻み続けた。
六回は四球から出塁を許し、4番ゲレーロに2ランを被弾。「もったいなかった」と唇をかんだが、6回3安打2失点、9奪三振は上出来だ。先発転向後、無傷の6戦6勝。チームに後半戦本拠地初勝利をもたらした。
後半戦は道具から気分一新した。アメリカのSF映画「スター・ウォーズ」の悪役ダース・ベイダーをイメージした新しいグラブを使用。メーカーと入念に打ち合わせた、こだわりの逸品だ。「前回と同じように作ってもらった」と使い心地も抜群。何よりも「曲が好き」だから登場曲も「ダース・ベイダーのテーマ」だ。お気に入りのBGMに乗せられ中日打線を威圧した。
すっかりおなじみとなったお立ち台では頼もしい言葉を並べた。自身初の2桁勝利に王手をかけても「まだまだ通過点だと思う。投げる試合は全部勝つつもりでやっている」とキッパリ。雨で中断後も球場に残ってくれたファンには「優勝を目指して駆け抜けたい」と大きな声でリーグ連覇を約束した。夏休み2日目。球場の子どもたちも大喜びだった。
緒方監督も孝行息子の白星にニッコリだ。「しっかり試合を作ってくれた。立ち上がりからいいボールを投げていた。緩急も使えていた」とたたえた。
次回は29日・ヤクルト戦に登板予定。薮田は「次はもっと長いイニングを投げられるように頑張ります。野手の皆さんが援護してくれたので、感謝したいです」と言った。節目の10勝目は納得の投球で決める。