安部奮闘!執念と意地の猛打賞 「下位打線もなめられたくない」
「広島1-9ヤクルト」(29日、マツダスタジアム)
執念と意地を見せた。広島・安部友裕内野手(28)が目の前のチャンスにしぶとく食らいついた。ボールを上から思い切り叩きつけ、一、二塁間を破る適時打とした。
「いろいろ考える中で打つことができた。最低でもランナーを進めて一、三塁にすることを考えていた」
この日唯一の得点を奪ったのは、1点を追う二回無死一、二塁。2ボールからの3球目、小川の投じた内角への129キロスライダーを右前へ運び、二塁から松山が生還した。
1-9の九回無死一塁では「より集中していけました」と左前打でつないだ。後続が打ち取られ反撃とはならなかったが、四回にも中前打を放っており、6月23日・阪神戦(マツダ)以来となる今季6度目の猛打賞。打撃で存在感を示した。
この日は1~4番の田中、菊池、丸、鈴木のバットが沈黙。「いつもは上位打線が打って、相手にプレッシャーを与えてくれている。下位打線もなめられたくないので、きょうはチャンスで打ててよかった」と安部。最後の最後まで発揮した粘り強さが、下位打線の意地だ。
緒方監督は「粘った攻撃ができたと思う。もう一押しだった」と前を向いた。勢いに乗る安部がフル回転でチームをけん引する。