菊池、電光石火11号先制2ラン「たまたまですね」
「広島3-4阪神」(2日、マツダスタジアム)
球場が大歓声に包まれた。広島・菊池が完璧なタイミングで捉えた打球は、鯉党の歓声に引き寄せられるように右翼席へ到達した。2試合連続の初回得点。2番打者が躍動した。
「ホームランはたまたまですね。いい先制点になってよかったです」
わずか2球で奪った先制点。初回、田中が初球を中前へ運んで無死一塁。菊池に打席をつないだ。初球の外角高め145キロ直球を強振。バットのヘッドを利かしたスイングで、先制の11号2ランとした。
バットだけでなく、グラブでも魅せた。同点で迎えた六回1死。梅野の一、二塁間への強いゴロに素早く追いついて捕球すると、低い姿勢を保ったまま一塁へ送球。安打性の打球を止め、相手に流れを渡さなかった。
4年連続でゴールデングラブ賞を獲得するなど鉄壁の守備でチームの危機を何度も救ってきた。野性味あふれる規格外の守備範囲に加えて、堅実さも併せ持つ。
この日の試合では、鈴木や田中も好プレーでピンチを防いだ。緒方監督は「集中した、いいプレーが数多くあった」と評価した。悲願の連覇へ向けて頂点だけを目指し続ける緒方鯉。菊池が攻守で快進撃を支える。