球団史上最速マジックお預け…プロ初先発・高橋樹 逆転満塁“悲弾”

 「DeNA13-3広島」(4日、横浜スタジアム)

 球団史上最速の優勝マジック点灯はならず-。プロ初先発した広島・高橋樹也投手(20)が、4回7安打8失点で初黒星。二回に逆転満塁弾を食らうなど、2軍降格が決定した。今季ワースト13失点で敗れたが、5日に勝利し、阪神が敗れれば待望の優勝マジック35が点灯する。

 白球が舞い上がる。振り返ると、打球は左翼席に突き刺さった。二回、高橋樹は桑原にプロ初となる満塁弾を浴びた。味方のミスを挽回できずに重ねた失点。一挙5点を奪われ「真ん中に球が集まってしまった。高めにも行った。修正できずに力のなさが出てしまった」と視線を地に落とした。

 初回を三者凡退発進。波に乗りかけた3-0の二回に落とし穴が待っていた。1死二塁で三塁・安部が失策を犯すと、梶谷にはフルカウントから四球を与えて満塁。徐々に狂い始めた歯車。倉本に中前適時打。そして逆転のグラウンドスラムをたたき込まれた。

 四回にも3失点。中継ぎとして登板したDeNA戦は、2試合で1回1/3を無失点。この日も筒香やロペスを無安打に封じたが「ほかの人に打たれているわけですから…」。4回7安打8失点(自責点3)でプロ初黒星を喫した。

 後半戦開始直後に、ジョンソンが左太もも裏の故障で今季2度目の長期離脱。先発ローテの再編を余儀なくされ、左腕にその座が巡ってきた。緒方監督は「良いところもあったけど、エラーが出て踏ん張り切れなかった。次、下で頑張ればチャンスはある」。2軍降格を明言し、巻き返しに期待を寄せた。

 先発は野村、薮田、岡田、大瀬良の4人が軸。そこに現在は中継ぎから九里が配置転換されている。9月2週目まで6連戦が続く日程のため、先発は6人が必要だ。高橋樹に代わる投手については、福井、戸田、中村恭、加藤らが候補。指揮官は明言を避けたが「ジョンソン離脱は苦しいが、若い選手たちはチャンス」と新星の台頭を願った。

 中継ぎ陣も打ち込まれ、今季ワーストの13失点を喫したが、1つの黒星に変わりはない。球団史上最速の優勝マジック点灯を逃し、阪神の自力優勝の可能性を復活させてしまった。ただ、慌てることはない。まだ9ゲーム差ある。残り44試合。広島野球を続けていけば、ゴールテープは見えてくる。

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