薮田10勝!カープ投手陣一番乗り 結婚で体調管理万全…夏バテ知らず
「DeNA4-7広島」(5日、横浜スタジアム)
広島・薮田和樹投手(24)がプロ初、チーム一番乗りとなる2桁10勝目を手にした。初回に3点を失うも、粘り強く投げて6回を8安打10奪三振4失点にまとめた。チームは引き分けを挟んで連敗を2で止めた。阪神がヤクルトに勝利したため、この日の優勝マジック点灯は持ち越し。最短で6日に「34」がともる。
ベンチで薮田はホッと胸をなで下ろした。九回2死。今村が柴田を空振り三振に仕留め、10勝目が決まった。「調子自体は悪くなかったんですが…。打ってくれた野手のみなさんに感謝したいです」。6回8安打4失点で自身初となる2桁勝利は、チーム31度目の逆転勝利の末に手にしたものだ。
1-0の初回、5本の集中打に押し出し四球も絡んで3点を失った。費やした球数は35球。不安定な立ち上がりは、二回以降への影響も心配された。だが、粘りの投球で試合を作った。
「もっと腕を振って投げていこうと思った」。三回1死一、二塁を切り抜けるなど五回までスコアボードに「0」を並べた。武器の直球は本調子ではない。変化球も織り交ぜながらDeNA打線を手玉にとった。
反省点もあった。六回に暴投、サインミスが相次ぎ、4点目を失った。緒方監督は「6回を投げ切ってくれた。二回以降は持ち直した」と評価する一方で、「六回の暴投やサインミスは反省してもらいたい。無駄な失点だった」と力を込めた。勝負の夏場。一つのミスが勝敗を左右するだけに猛省を促した。
3年目で、初めて開幕から1軍で投げ続けるが「疲れは感じていないんです」。食生活の改善で好コンディションを維持している。結婚したことでバランスよく栄養を摂取。激しかった体重の増減がなくなり、昨季から6~7キロ増の87キロを夏場もキープできている。体脂肪率も1桁台から2桁に乗せた。「少し食べられるようになりました」。高校、大学の寮で食べ過ぎたことで避けていた揚げ物も克服できつつある。
シーズン途中から急きょ、ローテ入りしてチーム一番乗りの2桁勝利。10勝の中には、中継ぎでの3勝が含まれている。「次は、先発として10勝できるように頑張りたいです」。リーグでも菅野、メッセンジャーに次ぐ3位の勝ち星。薮田が連覇への道を切り開いていく。
◆広島の優勝マジック最短点灯条件
広島は5日のDeNA戦に勝ったが、阪神がヤクルトに勝ったため、優勝マジック点灯はお預け。最短マジックは6日。DeNAに勝つか引き分けで、阪神がヤクルトに敗れれば「34」が点灯する。