丸21号!驚異の粘りだ自己最多弾 負けたけどマジック1減で「M19」
「中日6-5広島」(27日、マツダスタジアム)
あと一歩及ばなかったものの、広島が終盤に驚異的な粘りを見せた。2-6の八回2死一、二塁から、丸佳浩外野手(28)が右翼席へ自己最多となる21号3ラン。一振りで1点差に迫った。結局、追加点は奪えず、チームの連勝は2で止まったが、阪神が敗れて優勝マジックは「19」となった。
険しい表情でベンチから引き揚げてきた。あともうひと押し…。最後まで諦めずに声援を送り続けた鯉党の期待に、応えることはできなかった。自己最多の21号本塁打を放った丸。チームが勝たなくては意味がない。結果が出ても敗戦に悔しさをにじませた。
「どんな状況になっても集中力を持ってやっていかないといけない。後ろにつなぐという意識でした。手応えはよかった。芯に当たったと思います」
4点を追う八回。安打と四球で2死一、二塁の得点機を作り、丸につないだ。谷元が投じた高めの直球に反応。体を鋭く回転させ、右翼席へ。3ランで1点差に詰め寄った。
23日・DeNA戦(横浜)以来、4試合ぶりの一発。逆転へのノロシとしたかったが、後続が抑えられ追加点は奪えなかった。
序盤の大量失点が最後まで響いた。打線も先発の小笠原を攻めきれず、6回2得点に抑えられた。緒方監督は「最後の最後まで野手は集中力を持って戦ってくれた」と粘り強さを評価した。
開幕から打線の軸として機能してきた鈴木が負傷離脱。それでもチームに不穏な空気はなく、全員で支えようという雰囲気になっている。右翼には守り慣れていない松山。「誰が守っても確認することは同じ」と言うが、中堅の丸は何度も声をかけ、ポジショニングなどを指示している。
チームの連勝は2でストップしたが、阪神が敗れたため優勝マジックは「19」に減った。29日からはヤクルト、巨人と敵地での6連戦を迎える。「切り替えて週明けからまた頑張りたい。試合も残り少ないので、1試合1試合に集中して戦っていきたい」と指揮官は目の前の一戦に集中した。
チームリーダーの気持ちも同じだ。「変わらずにやっていきたい」と丸。歓喜の瞬間を迎えるまで、油断は一切ない。