バティ3打点!連覇前祝い弾&V犠飛 昨季Vはテレビ観戦「次は自分の力で」
「広島5-4DeNA」(14日、マツダスタジアム)
真っ赤に染まったスタンドが最高の熱気に包まれた。同点の八回1死満塁。打席に立つ広島のサビエル・バティスタ内野手(25)に今季最多3万2324人の観客の視線が注がれる。助っ人は勝ち越しの右犠飛を放ち、期待に応えてみせた。
「(目の前で)安部が四球(敬遠)で歩かされた。ボールが高めに浮いていたので、それを狙ったよ」
敬遠間にパットンの投球を見極めた。真ん中付近への直球を強振。鋭いライナーを右翼・梶谷がスライディングキャッチしたが、丸がタッチアップで生還して決勝点を奪い取った。
ドミニカンのバットは序盤から快音が響き渡った。3-3で迎えた四回、今永がフルカウントから投じたカーブに反応した。ライナー性の打球は右中間席へ着弾する10号ソロ。「タイミングがすごくよかった。うまく対応できたよ」。初の右方向への一発で自慢のパワーを見せつけた。
二回にも左前適時打をマークしており、2打数2安打3打点の大活躍。出場14試合ぶりの複数安打で存在感を示した。
昨季のリーグ優勝時は、大野寮のテレビで観戦。「次は自分の力で、という気持ちになった」と悔しさを糧に自らを奮い立たせた。結果を残し、6月に育成選手から支配下登録。デビュー戦から2打席連続代打本塁打を放つなどチームの勝利に貢献してきた。
あの日、テレビで見た光景はもう目の前だ。歓喜の輪の中心で、バティスタが笑顔をはじけさせる。