薮田 最多勝もイケる! 7回2失点で15勝目 巨人・菅野に1差
「広島3-2巨人」(23日、マツダスタジアム)
広島の薮田和樹投手(25)が、7回8安打2失点の粘投で15勝目(3敗)を挙げた。走者を背負っても粘りの投球を披露。勝率はリーグトップの・833となり、最高勝率のタイトル獲得へ大きく前進した。チームは巨人との今季最終戦を競り勝ち、球団史上最多となる巨人戦シーズン18勝(7敗)で締めくくった。
緊張感から解き放たれた薮田は、ベンチ前でナインと勝利のハイタッチを交わした。毎回、走者を出し、崖っぷちに立たされながらも踏ん張ってつかんだ白星。状態が悪くても7回8安打2失点と、先発の役割を全うして15勝目を手にした。
「全然納得できるような内容ではないんですけど、(野手の方に)勝ちをつけていただいてうれしいです。全体的に苦しかった」
走者を背負っても動じない。初回だ。2死から失策と四球でピンチを招いたが、村田を投ゴロに抑え無失点。その後も幾度となく得点圏に走者を背負ったが、丁寧に低めを突いて凡打の山を築いた。四、六回に1点ずつを失ったが、一度もリードを許さなかった。
これで15勝3敗とし、勝率・833はリーグトップ。自身初タイトルとなる最高勝率は、ほぼ手中に収めている。勝ち星もリーグトップの巨人・菅野に1差に迫った。
薮田の今後の起用について畝投手コーチは「タイトルを取るためだけに投げるのではない」と話し、あくまでもCSへの調整を優先する方針。その上で「中継ぎから入ってここまでしっかり投げてくれた。1つタイトルが取れたら自信になる」とねぎらいと期待を口にした。
プロ3年目。初めて開幕から1軍に帯同し続けた。手の届く所に2つのタイトルがあるが、薮田自身は意識を向けなかった。「あと1回投げられるか分からないですけど、もう1回チャンスがあるなら、CSに向けてしっかりと自分の投球をして結果を待ちたいです」と前を見据えた。
次こそ地元で歓喜の瞬間を-。勝てばリーグ連覇が決まった9月16日のヤクルト戦は、七回途中4失点でチームを勝利に導けなかった。「自分は地元での胴上げっていうチャンスを逃してしまったので、最後の最後、もっといい胴上げをできるように頑張っていきたい」。本拠地で日本一を迎えるために、薮田は最後まで右腕を振り続ける。