坂倉 プロ初安打初打点 高卒新人13年・誠也以来! 期待の若鯉が大きな一歩
「DeNA1-5広島」(30日、横浜スタジアム)
決して会心の当たりではなかった。それでも中前ではずんだ打球に、広島・坂倉将吾捕手は満面の笑みを浮かべた。出場3試合目で放ったプロ初安打は、初の適時打となる2点打。勝利を手繰り寄せる一打が、何よりもうれしかった。
新井が2点打を放ち3-1で迎えた延長十回2死満塁。外角カーブを拾った。見逃せばワンバウンドしてもおかしくないボール球。「必死に食らいついていったのが良かった」。高卒1年目でのプロ初安打初打点は、13年の鈴木誠也以来だ。
野球に取り組むストイックな姿勢はチーム屈指だ。春季キャンプから始めた朝の散歩は現在も継続中。「体調だったりを考えて歩いている」。誰に言われた訳でもなく、自ら考えての行動。すべてを野球にささげる姿は、背番号「51」と重なる部分がある。
9月21日。マツダスタジアムでの阪神戦後に大野寮に帰る鈴木とタクシーが一緒になった。「頭を真っすぐ投手の方向に向けるとか、いろいろ教えてもらいました」。一言一言を胸に刻んだ、貴重な時間だった。
守備では七回からマスクをかぶり、藤井、戸田、今村、中崎を無失点でリードした。「緊張せずにやることができた」。次代の正捕手候補が大きな一歩を踏み出した。