ジョンソン 5回1失点 CSローテ3番手へ一発“快投”
「DeNA1-5広島」(30日、横浜スタジアム)
広島クリス・ジョンソン投手(32)が万全の調整ぶりを示した。5回を投げ3安打1失点。リーグ優勝決定後に出場選手登録を抹消されていたが、自身のシーズン最終登板で貫禄を示し、CSローテ3番手に浮上した。チームは延長十回の末、勝利を収め、あと1試合を残して球団のシーズン最高勝率更新を決めた。
涼しい秋風に吹かれて、ジョンソンがマウンドを支配した。この夜のテーマは「投球フォームの安定性」。自らに課したミッションを淡々と遂行し、64球に自分らしさを凝縮。CS、日本シリーズに向けて、確かな復調をアピールした。
「真っすぐが非常に走っていた。前回から3週間たっていた中でコンディションも良かった。フォームを安定させることでストライクで勝負できた。全体的にまとまっていた」
序盤から安定感抜群だった。最速149キロの直球を中心にツーシーム、カットボール、チェンジアップ、スライダーをちりばめる。四回までわずか1安打無失点。1点リードの五回は宮崎に右翼席へ同点弾を運ばれたが、5三振を奪い、さすがの投球を披露した。
エースの“一発快投”に首脳陣も一安心だ。緒方監督は「本人もそこまで悪い感じではなかったと思うし、あと1回実戦で球数を増やせば、問題ないと思う」と納得顔。畝投手コーチも「ツーシームと大きなスライダーが良かった。こういうピッチングをしてくれると、CSの先発の頭数に入ってくる」と評した。
来日3年目の今季は苦しいシーズンを過ごした。開幕直後は咽頭炎から長期離脱。巻き返しを期した後半戦も左太ももを故障。リーグ優勝決定後はコンディションを整えるため出場選手登録を抹消されていた。この日までに体幹トレなどで体調を整え、状態を上げてきた。登板前日は決まって無言を貫くが、29日の練習後は報道陣へ口を開き「CSを見据えても重要な試合。気を引き締めて臨む」と覚悟を示していた。
貫禄の投球で野村、薮田に続くCSローテの3番手に浮上した。今後は1試合の実戦登板をはさみ、CSへ向かう。左腕は「シーズンの最後の調整でステップを踏むことができた。次回に向けて準備していきたい」と前を見据えた。33年ぶり日本一へ、昨季沢村賞に輝いた助っ人の力は必要不可欠だ。シーズンの悔しさは、ポストシーズンで晴らす。