薮田“快幕”モード突入「もう最後の段階」虎もベイも分析完了
広島・薮田和樹投手(25)が16日、マツダスタジアムで行われたナイター練習に参加。先発予定のCSファイナルS初戦(18日)へ向け、本番モードに突入した。CSファーストSはテレビ観戦。阪神、DeNAの戦いぶりをチェックした。当日は苦手な雨予報だが泰然自若。不安をかき消し、強気な言葉で大役へ決意を示した。
決戦2日前。分厚い雲に覆われた空の下、薮田はナイター練習で汗を流した。肌寒い中でも半袖姿で練習メニューを消化。キャッチボールを終えると屋内ブルペンへ。CSファイナルS初戦の登板前最後の投球練習を終えて「良かった。もう最後の段階なので」と手応えを語った。
阪神かDeNAか。ファーストS3戦目が天候不良のため中止となり、ファイナルSでの対戦相手の決定はこの日も持ち越しとなった。それでも薮田の表情に不安や焦りの色はない。テレビ観戦で両チームの打者の苦手なコースやスイング、打席での立ち位置を細かくチェック。頭にインプットし「ここまできたら相手は誰でも自分の投球をするだけです」と、ついに本番モードへ突入した。
ここまでのファーストSを振り返ると、両チームの4番が勝負を決めている。初戦は阪神福留が決勝2ラン。2戦目はDeNA筒香が泥だらけになりながら、決勝打を放った。ファイナルSでも4番をどう抑えるかがカギとなりそう。薮田は今季、福留に対して2打数1安打1本塁打、筒香にも5打数2安打された。だがネガティブな思考はない。「当日はどうか分からない。しっかり自分のできることをやれば大丈夫かなと思います」と表情をキリリと引き締めた。
大一番を前に不安もかき消した。先発予定の18日は雨予報。これまで雨嫌いを公言し、晴れを願って、てるてる坊主を作ったこともあった。だが「もう作らないです」と開き直った。「嫌なのは変わらないですけど、みんな一緒なので」と自覚を示した。
ここまでの仕上がりは順調そのものだ。11日の社会人との練習試合は6回を投げ4安打1失点。制球に課題を残していたノーワインドアップも修正し「不安要素はなくなった」と準備完了を宣言していた。グイグイ押すピッチングと同様、強気な言葉は決意の表れ。虎が来てもDeNAが来ても、鯉が退治するだけだ。最高勝率男が剛腕でねじ伏せる。