野村乱調5回4失点 4年ぶりポストシーズン黒星「要求通りに投げられなかった」
「セCSファイナルS・第2戦、広島2-6DeNA」(19日、マツダスタジアム)
大歓声はため息となり、背番号19に降り注いだ。勢いに乗り損ねた敗戦。「先制されたし、点を取ってもらった後に点を取られているんで…」。広島・野村祐輔投手(28)がスタンドから目を背けてうつむいた。
独特の緊張感が指先を狂わせたのか。勝負どころで本来の制球力が影を潜めた。三回2死満塁。宮崎にカウント2ボール2ストライクから内角シュートを振り抜かれ、詰まらせながらも左前への先制2点適時打を許した。
1点差に迫った直後の五回の失点も野村らしくなかった。2死満塁。代打・乙坂への初球だった。真ん中高めのカットボールを打たれて中前への2点適時打。「勝負に行った球。アツ(会沢)さんの要求通りに投げられなかった」。消え入るような声で悔やんだ。
緒方監督は「本人も悔いが残るだろう。代打策で来られた中で、きっちり抑えてほしかった」。期待を込めて第2戦を託しただけに、指揮官の声も沈んだ。
5回8安打4失点で降板。ポストシーズンの黒星は、13年の巨人とのCSファイナルS第3戦以来となった。それでもまだ巻き返すチャンスはある。33年ぶりの日本一へ向けて、立ち止まってはいられない。「短期決戦なので、チーム全員で勝てるようにしたい」。投手陣の大黒柱はリベンジを期した。