鯉3連敗で王手許すも…下克上許さない! 緒方監督「自分たちの野球をするだけ」

 「セCSファイナルS・第4戦、広島3-4DeNA」(23日、マツダスタジアム)

 広島が崖っぷちに立たされた。初回に3点を先制するも、五回に先発の薮田がつかまり失点。交代した九里も流れを止められず、逆転を許した。3-4の六回無死満塁の好機も生かせず、逃げ切られた。第1戦の勝利後、2日連続の雨天中止を挟み3連敗。王手をかけられた緒方孝市監督(48)は「自分たちの野球をするだけ。それだけです」と前を向いた。

 満員のスタンドからため息がもれた。アドバンテージを含め2勝2敗のタイで迎えた一戦は、僅差での逆転負け。第1戦の勝利後、まさかの3連敗で王手をかけられた。試合後、緒方監督は「六回の勝負どころ。仕掛けたんだけど、得点に結びつかなかった」と悔しさをにじませた。

 最大のチャンスだった。3-4の1点ビハインドで迎え、先頭のバティスタが四球で出塁。新井も左前打で続き、初回に3点を奪って以降、無得点に封じられていたウィーランドをマウンドから引きずり降ろした。

 交代した砂田から西川が四球を選び、すべての塁が埋まった。一打逆転の絶好機にベンチは動いた。指揮官は会沢に代打・岩本を送る策を打った。投手は三上に交代。だが、2ボールと有利なカウントから2-2に追い込まれると最後は空振り三振に倒れた。

 相手は前進守備を敷いていなかった。併殺打の間にも1点を奪えた状況だった。昨季から、たとえ安打が出なくても得点する打撃を磨いてきたが、指揮官が言う「勝負どころ」でそれができなかった。続く代打・小窪も三振に倒れ、田中は二ゴロに終わった。

 「結果論になってしまうんだけど」と前置きした上で、石井打撃コーチは「会沢をそのまま打席に立たせて、ゲッツーでも良かった。勝負手を間違えた。出した僕の責任。出した選手に悔しい思いをさせてしまった」と起用理由を説明し、敗戦の責任を背負った。

 リーグ連覇へチームをけん引してきた打線が、短期決戦では力を出し切れていない。第1戦は五回降雨コールド勝ちしたが、第2戦は2得点で第3戦は完封負けを喫した。台風の影響などで2日連続で中止となり、打撃内容や精神面でリフレッシュを図ったものの、この日は勝利することができなかった。

 24日の第5戦に敗れれば、レギュラーシーズン3位のDeNAに下克上を許す。崖っぷちに追い込まれた緒方監督は「後がない状態となった。とは言っても焦ることなく、自分たちの野球をするだけ。それだけ」と力を込めた。今こそチーム一丸で王者の底力を示す時だ。

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