広島・野村祐輔投手（２８）が１８日、広島市のマツダスタジアムで契約更改交渉に臨み、２０００万増の１億２０００万円でサインした。今オフ、各球団が補強を敢行する中で巨人は前中日・ゲレーロを獲得。リーグ本塁打王に対して、今季は８打数無安打と完璧に抑えた。来季も“ゲレーロキラー”として巨人の前に立ちはだかり、リーグ３連覇へ突き進む。（金額は推定）

　スッキリとした表情で野村は会見場に姿を見せた。２０００万増の１億２０００万円で一発サイン。球団からは先発ローテの柱として奮闘したことを評価された。「『優勝に導いてくれてありがとう』と言っていただいた」とさわやかな笑みをたたえた。

　来季の目標を問われると「自分のことではなく、チームの３連覇しかない。チーム一丸となって、頑張っていきたい」ときっぱり。今季は９勝５敗、防御率２・７８。真のエースを目指し「もっと長いイニングを投げられたらいい」と自覚を示した。

　他球団は「打倒カープ」を掲げ、大補強を展開中。巨人は前中日のゲレーロを獲得した。野村は「まずはカープの野球をすること」と冷静に言い、「パワーがあるし、今度は東京ドームでやるから、ホームランが出やすい。ホームランバッターが多いと、圧がかかる」と警戒心を隠さない。

　ただ、抑え方は心得ている。今季は８打数無安打と圧倒した。「いろんなボールを使って、ストライクゾーンを広く。バッターの目線を広くできたら」。直球、カットボール、ツーシーム、チェンジアップなど、多彩な球種を駆使し「自分の持ち味を出せたらいいと思う」と自信をのぞかせた。

　球団の「投手王国をつくってほしい」という言葉も意気に感じた。「今年の経験を生かして、もっと引っ張っていきたい」。来季も先発ローテの柱として、投手陣を束ねていく。