安部、初夢は主力でV「本当のレギュラーとして、3連覇して、日本一に」
広島・安部友裕内野手(28)が初夢を語った。昨季はプロ初の規定打席に到達し、チームトップの打率・310をマーク。飛躍のきっかけや理想の選手像を明かした。今季から背番号6に変わり自覚も十分。主力として、チームをリーグ3連覇、そして悲願の日本一へ引っ張っていく。
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-新年明けましておめでとうございます。
「おめでとうございます」
-昨季はプロ10年目で初めて規定打席に到達。リーグも連覇し、充実の1年となった。
「キャリアハイなので、うれしくないことはないですが、試合に多く出ると、課題がより見えてくる。今年はそういうところを突き詰めていきたい」
-1軍出場が増えた一昨年から、さらに成績を向上させた。
「3人の打撃コーチ(石井、東出、迎)と、河田(外野守備走塁)コーチの力が大きかった。河田コーチにはメンタルの部分でいろいろ話しかけてもらって、勉強させてもらいました。とにかく1打席1打席1球1球、それじゃダメだと言い聞かせていました」
-チャンスに強かった(得点圏打率・336)。
「得点圏の心得をいろいろ聞きました。あまり言えないですが…、こちらの攻め方と向こうの攻め方。考え方ですね」
-試合でミスした後、すぐに取り返す姿が印象的だった。
「その試合で犯したミスはその試合で打って返さないと。次の試合で打ってもチームに負けがつく。何とかミスしてもその試合を勝ちに導くという気持ちでやっていました。(野球は)ミスの多いスポーツ。ミス0はない。どこかであると思うので。(シーズンは)長丁場ですし、試合も九回まである。取り返すチャンスはあるので引きずらないように、と思っていました」
-今年の目標は。
「リーグ3連覇と日本一。簡単ではないと思う。自分が本当のレギュラーとして試合に出て、3連覇して、日本一になりたい」
-3連覇となれば、球団史上初となる。
「みんなカープを倒そうと来るのでマークも厳しくなる。何とかその上を行きたい。僕らがもっと力をつけて無敵になるぐらい。相手に『カープはどうしようもないな』と思わせたいですね」
-カープの強みはチーム一丸。
「選手それぞれの考え方がある。チーム一丸になるのは難しいけど、ならないといけない。本当に勝つならもっと話し合ってミーティングもしないと。僕も(背番号)6番を任された。プレッシャーも感じるけど、自覚と責任を持ってやりたい。(新選手会長の)アツ(会沢)さんはリーダーシップがある方なので、中心になってやっていきたい」
-昨季は盗塁数も増えた(17個)。
「まずスタートを切らないといけない。(河田コーチから)その姿勢から教わって、走り方、スタートの切り方、スライディング、相手の癖。自分たちでしっかり見て勉強しました。(次の塁を)狙っているだけで相手バッテリーは警戒するので。数は納得していません。今年は30盗塁したい」
-本塁打の意識は。
「自分の中で4本も打てたという感覚。全部ホームランを狙っていないですし、センター前や三遊間に狙った打球がホームランになった。欲を持っていると、いい打撃はできない。それは今年も変わらない。ホームランは打てる人が打てばいい。パワーもないとは思っていないが、たまたまホームランになればいい。狙っていこうというのはないです」
-選手としての理想像は。
「こういう選手になりたいというのはある。まず走れること。元気に動けないと。長く現役をする人は足が動く。打つだけじゃ最後は代打になるので。レギュラーは最低(走攻守)三拍子そろわないと。打つ、走る、守る。走ることは絶対にないといけない」
-ブレークにつながったきっかけは。
「メンタルが大事だと思う。メンタルは何かと考えた時に、物事の考え方、捉え方だと思う。『あーどうしよう』じゃなくて『ここはおいしい場面だな』いう考え方。それがメンタルだと思う。メンタルが強いということは、自分の考え方がはっきりしていて、その場面に立った時に、その考え方を持って行動できること」
-今年29歳を迎える。
「脂がのってくる頃だと思う。自分に呪文を唱えています」
-今年もレギュラー争いは厳しい。
「(ライバルを)意識しないことはないが、同じポジションの選手のことを思っても無駄な時間。だったら対戦相手を研究して、結果を出すこと。競争のないところは刺激がない。危機感を持って常にやってこられた。(同じ三塁に)去年もペーニャがいて、一昨年はルナがいた」
-研究熱心だ。
「僕は人の練習を見るようにしている。シーズン中もキャンプ中も、走塁中に(打撃練習を見て)こういう取り組み、タイミングの取り方をしているのか、とか何か盗むようにしている。何気なく時間を過ごさないようにしています」
-ルーティンもあると話していた。
「いっぱいある。試合前は同じ食べ物を食べる。去年はそば。右足から踏み出して、線を越えたり。そうすると、『よし、試合に行こう!』という気持ちになる。気持ちを安定させるためです」