野村、勝負の“3年目”エース道をゆく!【インタビュー】
広島・野村祐輔投手(28)が5日、春季キャンプの第1クールを終え、デイリースポーツのインタビューに応じた。今キャンプは投手陣で日本選手最年長の立場。若手の手本となる責任感、3年連続で成績を残しエース道を歩む覚悟、リーグ3連覇への決意などを赤裸々に語った。
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-キャンプ第1クールを終えて、ここまでの仕上がりは。
「ケガなく、体も今のところ順調です」
-若い頃と調整は変わった。
「そうですね。今は任されているという感じです」
-今キャンプは投手陣で日本選手最年長。
「去年の秋のキャンプからそうだったんですけど、一番若い子とは10歳近く違いますからね。僕が入団したころ、10歳上の先輩は石原さん。1年目の時にいきなり石原さんに話しかけるというのは…(苦笑)。僕がその立場だったらまず話しかけられないから、僕から話しかけなきゃというのはあります」
-話はできたか。
「まだあまりできていないです。全員が(2次キャンプ地の)沖縄に行けるかどうかも分からないので、日南にいる間が話をするチャンスですね」
-若手をどう見ているか。
「まだ遠慮がちなのかなと見ていて思います。いいピッチャー、能力あるピッチャーはいると思う。『自分がやってやる』というのが見えた方が、すぐには出せないと思うけど、そういうのがあってもいいんじゃないかなと思います」
-1年目のキャンプはどう過ごしたか。
「最初は強制的にブルペンに入ったこともあったし、好きなタイミングで入ったこともありました。1年目はある程度、大目に見てもらっていましたね」
エースに負けん
-昨年は相手に研究もされた。
「それももちろんありましたし、投げるところが変わった。一昨年はカードの2、3番目だった。カード頭で投げる難しさはありました」
-エース級との投げ合いも増えた。
「それを意識しないことはないし、エース級がきても勝たないといけない。先に点を与えるわけにはいかないですし、初戦はやっぱり大事だと思います」
-以前、エースの条件として“3年成績を残し続けること”と挙げていた。
「最低3年は続けないといけない。それでやっと(エースと)言えるんじゃないかと。成績はもちろんですけど、成績を出したからといってエースというわけではないと思う。いいときも悪いときも必ずあるので」
見えてきたもの
-エースの考え方とは。
「一番はチームを思っている。自分が良ければいいという考えでは決してない。そういう考えをされていると思う。(若い頃は)自分がまずやってポジションをつかまないといけない。さすがにチームのことは考えられない。ある程度、年齢やキャリアを積んで、やっと周りが見えてくるんじゃないかと思います」
-一昨年と昨年で、考え方が変わった。
「一昨年はその前の2年が悪かったから何とか自分がポジションや立場をもう一度、作っていかないといけなかった。そこに本当に一生懸命だった。(昨年は)チームのために、チームがうまくいくように考えられるようになりました。去年の1年間がすごく大きかった。数字を見たら(9勝で)2桁は勝てなかったけど、大きな1年だったと思う。いい経験をさせてもらった1年でした」
-昨年は球種の割合の中で、ツーシームが一番多かった。
「意外じゃないですね。ストレート系が多い、カットも多い。ストレートと大してスピードが変わらないので、そういうボールが主体になってくる」
-今キャンプで磨く球種は。
「ストレート。毎年ストレートです。ストレートが良くなったら他のボールも良くなるんです。基本はストレートとカーブ。いいフォームの状態にして、他の変化球にという感じです。カーブ以外はみんな投げ方が一緒。仲間なんです。カットもスライダーもツーシームもチェンジアップも一緒。カーブだけ別物だから難しい。カーブもストレートに近い投げ方にできるようにしたい」
-変化球の精度については。
「全然、納得していない。質ですね。(昨年は)ストレートが良くなかった。いいときと悪いときの差があったので」
-昨年、ストレートの割合は2番目に少なかったが、来年は増えそうか。
「ストレートが少ないのはイメージできていました。でも配球がある。ストレートがいいからストレートを使うわけではないですね」
-新しい変化球は。
「いろいろやっています。持っている球種の中でも種類を増やしたりとか。変化球は別の変化もさせられるので。小さいスライダーとか大きいスライダーとか、速いカーブ、遅いカーブとか」
-リーグ3連覇のために必要なことは。
「もう一度、一致団結すること。みんなで同じ方向を向いて戦っていかないといけない。1番上なので去年と変わらずしっかりやれたらいいと思う」
-昨年は打線の援護に助けられたので、来季は野手に返したいと話していた。
「どのピッチャーも野手に助けられたと思っている。そこを何とかして、と思っていると思います」
-他球団は補強している。
「どの球団も優勝を狙っているのはもちろんのことなので、それに負けないように、しっかりはね返せるように頑張っていきたいです」